Nicotto Town



とはずがたり~香~その9


 私が個人的に思うジャスミン系香水の王者はフエギアのアマリアだと思う。本気で浴びられるレベルだ。香りは透明感があって軽めだが、ジャスミンの香りがきれいに広がる。インドールは抑えめでジャスミンティーを思わせる。インドールの効いた野性味あふれるジャスミンと比較するなら綺麗なジャイアンだ。ただ、人工的な、自然を廃した感じはなく、全身に霧で纏いたいくらい。やや木質感があるので、夏に使いやすい。冬場はもう少しコクが欲しくなるが、バランスが取れている。最後にフエギア特有の香りが暴れることもなく、非常にまとまっている。

 対をなすように、冬場であればアマリアグルマンが良い。こちらはジャスミンティーに限界値まで砂糖を溶かした感じ。甘さの限界値まで極めた感じだが、その甘さはクルジャンのバカラルージュエキストレやドルセーのW.Tの上白糖や綿あめの甘さではなく、少し離れて嗅ぐとミルク感すら感じる、どこかキャラメル気質ともとれるような、甘味のオーバードーズ。疲れた気分はすべて吹き飛ばす。木質感は無いが、残り香にムスク調を感じる。鮮やかな赤色の液体だが、天然由来らしい。スプレーするとややオレンジがかった液体が出るので、衣類に付着しないよう注意が必要。

 フエギアはアルゼンチンに由来を持つ香水で所謂超高級ライン。これを軽々超えるのはアンリジャックとかアムアージュ・・・と思っている。これ以上知っても私の生活には何も影響してくれない。高価すぎて無理。

 フエギアは天然香料を謳い、香水好きの間では憧れの存在であり、好きな人は10本以上所有している、もう訳が分からん。

 テスターでいろいろ試したがフエギアには癖がある。香水のメインとなる香りがほぼとんだ後に、基材の香りだろうか、なんとも独特の香りがある。時々フエギア臭なんて言ってしまうのだが、やや苦手だ。これが平気な人も多く、大量購入者も多いのだが、やはり世間でもフエギアの終わり方は個性があるという。

 長い間、何に由来するのか考えていた。個人的には暴走したウッディ系に近い。あるブランドの香水で似たような香りに出くわした・・・あれかな、分からん。しかし、暴走するウッディ系のラストになる。そのため、好きな香りでも断念することが多い。このブランドで大人気のアグアマグノリアーナやタイース、ルナロハなんかはラストにこの個性が突然顔を出す。高いラインではパイサンドゥもしっかり個性が出てくる。

 このレベルのブランドになると、店舗側はその場での即決は迫らないし、客も決められない。香りの変遷をすべて確認し、迷うならその後もムエットを確認して香りを思い出してから購入するのが一般的だ。だから、即答を迫るとか、ムエットしか出さない、肌に乗せるならムエット拒否するとか、そういうことをする店員は嫌がられる。フエギアは比較的色々試させてくれる店員さんが多いけど、SNSを見ていると、どうもそうじゃない人もいるようだ。実際、私も経験がある。そんな時は、心の中の窓を閉じてサッサと退店する。香りの変化を確認させない、説明しない、そんな接客の人は売り上げに熱を上げてるか本気でやる気が無いか、どちらにしろ高いお金を出す購入希望者のマイナスにしかならないし、不快な気持ちで買いたくもないのでさよならだ。基本、接客のレベル(態度、知識)が高いので、余計に悪目立ちする。

 他のブランドでもそのような話は聞くし、言われればあれがそうかと思うこともある。何も神様扱いしろとは言わないが、ムエット一枚くれない、試させてくれない、それでは購入しようがない。相手は、「この客は冷やかしで金にならない。」とか思っているかもしれないけど、SNSで不快な体験した沼人も多いので、私はともかく、この販売員は大きな魚を逃したなと思うことがある。

 素人のくせに苦手な香りが多いので、このブランド丸ごと欲しいとかは無いのだが、良い香りだ。

 と、アマリア最高!とずっと思っていた。最近、越える香りを体験した。アンリジャックのエッセンス、ジャスマン。価格が天井突き破っているので、羨むばかりなのだが、アマリアの木質感は無くジャスミンをとことん極め、ほかによそ見をしないような香り。加えてエッセンスなので拡散力は抑えめ。

 フエギアのプーラも原液なのだが、ジャスミン以外の姿を感じさせないジャスマンは最高だった。




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