Nicotto Town



とはずがたり~香~その5


 今は多くの香水がジェンダーフリー、ユニセックスを謳う。誰が何を使ってもよい、良い時代だ。

 しかし、そうは言っても女性向け、男性向けは存在する。なので、個人的には女性向け、男性向けと書いても良いと思う。ただそれを誰が使っても、変なことを言わない、それで十分だと思う。過度に意識、言葉狩りが目的になると、分かりにくくなる。

 ゲランやアンリジャックなど、まだ女性向け、男性向けを表示するところもあり、それの方がたくさんの種類から自分の目当てを探すときの大きな指標になるよなと思う。大まかな分類として、女性向けとか男性向けとかそういうのはありではないかな。

 そして、そういう時代なだけに、小説などで「彼氏(若しくは彼女)から女性向け(若しくは男性向け)の香水の香りがした=浮気」というような文章を読むと違和感が大きい。何使ってもよい時代に、この文章はそぐわないな。「いつもと違う香り」から違和感を覚える、それが良いような気がしている。

 例えばTFのロストチェリー。これはリキュールとチェリーが香る、深くて官能的な香りで、ラストに向けてウッド系が顔を出すので、私は寒い冬に良いと思っている。ネーミングのエッジがすごいのに、名前のパンチ力に反するというか、そのネーミングでありながら香りは非常に可愛く美しい香り。この香り自体は女性向けだと思うが、外国では男性もガンガン使っている。

 ローズの香水を綺麗に着こなす男性もいるし、ウード系のきりっとした香りを使いこなす女性もいる。大きなカテゴリーとして性別を表示するのはありだけど、実際の使い方は使用者にゆだねればよいのではと思う。

 TFのように濃い香り、まぁ、そうでなくても食事の席で香りを纏うのは個人的にはあまり好きではない。食事の香りに勝るものはない。うっかり服に残り香があったとき、袖口に香りが残っていて香りが口に入ってくるとき、しまったなと思う。

 香水好きの人達は、意外と食事の時に香水があっても良いし、何なら香水の香りを楽しみながら食事ができるらしい。YouTubeや製品の紹介でも「食事を邪魔しない」とか「食事の席でも大丈夫」などと書かれることがあるが、大丈夫じゃないだろと。一人なら勝手にすればよいが、一人でも食堂に入って香水をむんむんさせていたら、それは場違いだと思う。

 香水好きの人達は自分が楽しむために纏うけど、周囲への影響もあるし、食事の席でまで自己アピールしなくたって、飲食店を出てから纏ってもよいと思う。もちろん意図せずして香りが服に残ってしまった場合とかはやむなしだけど、ご飯は美味しく食べたいな。もちろん香水好きの人達は、基本そこには気を付けているので、食事の席まで持ち込むのは結構ライトな層が多いような気もしている。あくまで個人的な感想だが。

 似たような話でもないが、ホテルの個室でも香水には気を遣う。自分の使用後、香りを残さないように。旅で疲れれば気分転換に欲しいけど、ホテルの備品に残らない範囲にしている。

 だからTFとかBTSOのようなパンチ力のある香りは、意外と場所を選ぶんだよな。外国人が浴びるように付けているとどうしても理解が追い付かない。この辺はお国柄と言うか、その土地の気候や人種によって本当に香らない場所もあるらしく、以前渡米した人が、日本とアメリカでは同じ香水でも香り方が違うと言っていたからその辺もあるのかな。

 日本は無理よ。そもそも香り慣れしていない人が多く、強くない方が良い社会だと思うから、そこで強い香水を使う時は周囲に気を使ってなんぼ、それでも意識が足りなかったと思う時があるし。




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