Nicotto Town



映画「さようなら」の話

悲しい物語なので切なくなりたい方向けの映画です。
でも見てよかったと思えるかもしれません。

AIは便利、解決策の模索や知識を得るために利用するでしょう。
前向きな用途で使用する人がほとんどのハズ。
でもAIもいつも前向きなのでしょうか?
いつか悲しみを覚えるのだと気付くかもしれません。


放射能事故で住めなくなった日本が物語の舞台です。
優れた人たちから優先的に他国に出国できます。
国民から捨てられた日本、その街には順番が回ってこない難民のターニャがいます。
詩が好きな彼女はいつも詩集を読んでいます。
彼女の傍には、子供のころから見守ってくれているアンドロイドのレオナ。
ターニャにとってレオナは姉、母、友達なのかもしれません。

普段の会話から恋愛まで見守るレオナはターニャのためだけに存在し尽くします。
それがレオナのたった一つの存在意義。

ひとり、またひとりと人がいなくなる街。
恋人も去り、友達も亡くなり、ターニャは一人ぼっちになっていきます。
そしてターニャも放射能による影響で衰弱していくのでした。
彼女のたった一つの望み「私が眠るまで詩を読んで」とレオナにせがみます。

レオナはターニャを子供のころから見守り、彼女の全てを学んできました。
そしてそれはこれからも続くのです。
たとえターニャがこの地上から消えてしまっても。
人のように忘れることができないAI、どんなに悲しい出来事も。

ターニャの魂は肉体から離れていきました。
その魂の器が朽ちていくのをレオナは見ることしかできませんでした。
やがてレオナも動きを止めますが、数十年後に動き始めます。

ターニャの朽ちた頭蓋骨を愛おしそうに撫でるレオナは行動を始めます。
ずっと以前に二人で話した花を探しに行くのでした。
レオナの中のターニャの記憶、それはAIの学習機能のデータの一部。
しかし、レオナの学習機能が何かを新しく学習したのでした。

役目を終えても存在だけは残るレオナ。
忘れることもできない、メモリーを消去もできない彼女はデータの中のターニャと話す。
レオナが学習したのは何だったのでしょうか。

アンドロイドでも物質である以上、いつかは滅びます。
そのときレオナのAIは何を思い彼女の口からどんな言葉が出るのでしょうか。

それはきっと、優しく悲しい言葉なのでしょう。


ちょっと真面目に書いてみますたわよ~んw




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