【小説】真夏の罪 その⑩ 陽斗君と香月君
- カテゴリ:自作小説
- 2025/03/28 16:43:27
裏庭を出た陽斗君は校門のところに来ている香月君と話していた。
私は塀の後ろで、出るに出られず、盗み聞きをする羽目になった。
「香月、おまえ、本気で美桜のこと好きなのか!?」
「陽斗。」
香月君は真剣な表情で答えた。
「おまえには悪いが、本気だ!」
陽斗君は香月君にくぎを刺す。
「他の女友達と遊ばないか!?告白されたからって、ホイホイ付き合ったりしないか!?」
「あたりまえだ!」
「信じていいんだな?」
陽斗君は念を押していた。
「もちろんだ!今までの俺とは違う。」
「わかった。おまえを信じるよ。」
「もうすぐ、美桜がここを通るはずだ。美桜のことを頼む。」
陽斗君は香月君の肩をつかんで言った。
「えっ?」
「今さっき、美桜とは別れてきた」
そう言って、陽斗君は帰って行った。
私は塀の後ろで、陽斗君の優しさに涙していた。
「岩崎。出て来いよ。そこに居るんだろ。」
香月君は私を呼んだ。
私はバツ悪そうに出て行った。
「陽斗と別れたのか?」
私は黙ってうなづいた。
「俺のせいだよな...。」
私は首を横に振って、
「私のせい...陽斗君のこと、ちゃんと好きでいられなかった私が悪いの。」
香月君はつらそうに言った。
「陽斗は、中学からのダチなのに、ひどいことをしてしまった...」
香月君は場所を考えないで大事な話をするの変わってないな。
また、校門で大事な話し出すし。
「それなのに、陽斗は、岩崎の事、頼むって言ってくれた。」
「陽斗の優しさに甘えていいんだろうか?」
私は言葉がでなかった。
「岩崎は、俺のことを許してくれるか?」
「許すも許さないも、罪は私の方が大きい...」
「俺たちが幸せになるのが、陽斗への罪ほろぼしだと思うのは、都合がよすぎるんだろうか...」
香月君と付き合うことが、罪ほろぼし?
私はそんなふうには、考えられなかった。
「私...今は、香月君のこと好きだとか、付き合いたいとか考えられない...」
「ごめんなさい。」