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アザミのつぶやき


新・水滸後伝

既成の作家が中国文学のリライトをやるっていうと、北方謙三の「水滸伝」「三国志」「楊家将」みたいに、もうネタぎれなんですかねえ、といった印象になるんだけど。


これ、田中芳樹の「新・水滸後伝」は面白い。「水滸伝」とか「三国志」は、みんなあらすじを知っているので、この次、この先が分かるし、どこが名場面なのかも承知してる。いいかえれば、そこだけちゃんと盛り上がるように書けば、読者は許してくれるって甘えみたいなものもある。
これは、そうはいかない。
「水滸伝」からかなり時代が下って、「水滸伝」の100回本で108人の英雄英傑の主役のほどんど、宋江、林冲、呉用、史進、李逵らがほとんど死んでしまって、28人が生き残り、宮仕えなんか嫌だと、田舎に帰ったりバラバラになって終わったところから始まる話なんで、地味でやや小粒で、目立たなかった連中で話を立て直すわけで、なかな難しい。

しかも、元の水滸後伝のいらない脇役、どうでもいいような細々としたエピソードとかをごっそりカットして、面白くリライトしてる。かなり頑張って面白くしてくれていると思う。
★★★★

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2025/02/15 06:25
生き残りは28人だけど、水滸伝で亡くなった英雄の息子、甥というのが3人くらい、水滸伝では端役だった人とか、全く新しい人とかも参加して、全体では50人くらいの英雄が活躍。
最終的には、「暹羅」(しゃむ)という島国に行って、そこの王様として建国する。この島、しゃむと読むんだけど、タイとは別物。位置的には、台湾の北のあたり実在しない島。
まだ文庫になってないらしい。図書館で借りた。



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