Nicotto Town



【小説】愛里の恋 その② クッキー



――――愛里の教室

――――お昼休み

「毎朝、挨拶して、『愛里ちゃん』って呼んでくれるんだけど、それだけなんだよね。。。。」
私は仲のいい友達とお弁当を食べながら、相談してみた。
「いつも、金魚の糞みたいに高橋先輩がいるしーーーーーー」
ちょっと嫌そうに言ってみた。
「あはは、愛里は、高橋先輩嫌いなんだよねw」
「別に、嫌いじゃないけど、高橋先輩が居なかったら、梶先輩ともっと話せる気がする。」
「1年生っていったら、3年生の梶先輩から見たら、恋愛に対象にはならないのかな。。。。」
「そんなことないでしょ。なんかアピールしてみたら?」
「アピール?」
「愛理、お菓子作るの上手なんだから、クッキーでも焼いてみたら?」
「それがいいよ。」
「琴音なんか、お弁当で、蒼井君の事ゲットしたんだよね。」
ふいに話をふられて、顔を真っ赤にする琴音ちゃん。
プレゼントか。。。。。。
「ありがとう、みんな。」
「クッキー焼いてくる♡」
「私たちの分も焼いてきてね。」
「もちろんじゃない。アドバイスありがとう。」

――――愛里の家

「ママーーーキッチンかりるね。」
ママがキッチンまで、様子を見に来た。
「あらあら、今日はいつも以上にいろんな材料買ってきたわね。」
「あのね、梶先輩にクッキープレゼントするの♡」
「USSS百貨店まで行って材料買ってきたんだから。」
私はテンションマックスで、エプロンをつけた。
ママがからかうような口調で言った。
「梶先輩って、愛里が一目惚れしたっていう生徒会長さんね。」
「ママがいいおまじない教えてあげようか?」
「えっ、恋が上手くいく、おまじないとかあるの?」
「生地を混ぜるとき、好きな人の名前を100回ささやくと、恋が叶うらしいわよ。」
「100回ーーーーーー?」
「ふふふ、冗談よw」
「美味しく出来るといいわね。」

市松模様のアイスボックスクッキー
クマの顔のクッキー
ハート型のココアクッキー
爽やか風味のレモンのクッキー
シンプルにバタークッキー
あと、
チョコチップクッキー

「これでよし!」
梶先輩、受け取ってくれるかな。
食べてくれるかな。
美味しいっていってくれるかな。

この日、私はクッキーに乗って梶先輩と空を飛んでる夢を見た。

――――次の日学校

『梶先輩へ 
 もらってもらいたいものがあるので、
 放課後、中庭で会ってもらえませんか?』
この手紙を梶先輩の下駄箱に入れた。

下駄箱の陰から、梶先輩が手紙を読んでくれてるのを確認したんだけど、
高橋先輩もその手紙を一緒に見ていた。
すごく、いやな予感がした。。。。

――――放課後

まずは、友達にクッキーの味見をしてもらったの。
「愛理、美味しいよ。」
「これなら、梶先輩のハートゲット出来るよ。」
友達の後押しもあって、
私はわくわくドキドキしながら、梶先輩にクッキー渡しにいったの。
ところが、途中で高橋先輩に会って。。。。。。。
「平松、いいもん持ってるやん。」、
って言って、私の手からクッキーをとりあげると、そのまま、袋を開けて、クッキーを食べたの!!

「あーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

「なんで、勝手に食べるんですか!?」
高橋先輩は、全力で怒っている私に、平然と、
「梶、クッキーとかよくもらってるけど、食べないぜ。」

「何騒いでるの?」

そこに梶先輩が遅れてきてくれた。
私は思わず、涙目で梶先輩に泣きついてしまった。
「愛理ちゃん?」
「おい!大地、愛里ちゃんに何かしたのか?!」

梶先輩は、高橋先輩の持っているクッキーを見つけて
「これ、愛里ちゃんが作ったの?」
「僕も一つ貰ってもいい?」
梶先輩は、高橋先輩からクッキーを取り上げて、食べてくれた。
「美味しい。」
私は、その一言で幸せいっぱいの笑顔になれた。
「よかった♡」
高橋先輩は、そんな私を意味深な顔で見ていたけど、
この時の私は、まだ、その理由を知らなかった。


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2025/01/30 18:56
> 裸の悪乃娘豚人間さん
頑張る(ू•ᴗ•ू❁)
アバター
2025/01/30 13:44
こっからドロドロしだすのかな
がんばって~



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