【小説】友達の扉 上田海斗視点 その② 自己紹介
- カテゴリ:自作小説
- 2025/01/17 15:11:36
ーーーー教室
出席番号順に座らされた。
オレは上田だから前から3番目だった。
茶色い髪の彼女は、オレの前だった。
彼女の順番は2番目か。。。後姿が緊張してる。(クスッ)
「市原 萌香。。。。。。。」
市原 萌香って言うんだ。かわいい声だな♡
と、そのとき、事件(?)は起った。
薫子先生は市原さんの自己紹介をさえぎって、
「あなたね!茶髪の新入生は!」
市原の肩がビクンと震えたのがわかった。
「茶髪に天然パーマの証明書は出てるようだけど、少し目立ちすぎじゃない?」
「もう少し、周りに合わせる努力が必要ね!」
すごい剣幕で話す薫子先生。
市原さんの肩が今度は、ビクビクしていた。
後ろからでも泣いているのがわかるほどだった。
オレは腹が立って、机をたたいて立ち上がった!
「上田 海斗。趣味は走ること。」
「嫌いなのは他人をねちねちいじめること!」
一瞬、教室が凍り付いた。
薫子先生も驚いていた。
市原さんが後ろを振り返った。
すごい厳しい表情でオレは、薫子先生をにらみつけていた。
薫子先生もすごい表情で上おれをにらんでいた。
「勝手に発言しないように!」
しばらくの後、薫子先生がオレと市原さんの机を叩いて、
黙って座ることをうながした。
オレは腹が立っていた。
でも、それ以上に騒ぎを大きくして、市原さんがつらい思いをするのが嫌だった。
だから、オレは、黙って座った。
市原さんも座った。
自己紹介も終わり配布物も配られ、今日の予定は終了した。
オレは、帰ろうとしない市原さんの後姿を黙ってみていた。
みんなが黙って帰っていく。。。。。。
誰一人、市原さんに声をかける奴はいなかった。
オレもいったんは教室と出たが、市原さんが気になって教室に戻った。
泣き止んでいるようだけど、まだ、うつむいたまま、その場に居た。
オレは、そんな市原さんをほっとけないかった。
でも、どうすればいいのかわからず、ただ一言、
「がんばっ!」
って言うのがやっとだった。。。。。
本当なら、もっと 話して、一緒に帰ってやりたかったけど、
オレ。。。。男だし、ありがた迷惑になっても困るし。。。。
オレは教室の陰から、市原さんが帰るのを見届けてから、帰った。
(つづく)
妄想の男の子ですw
不器用だよねw
まぁそんもんだよね
若いがゆえに不器用さ