Nicotto Town



【小説】友達の扉 その⑧ 上田海斗



ーーーー職員室

先生たちがヒソヒソ話をしていた。
「目安箱の投書、見ました?」
「美咲(薫子)先生に対するものが多いですね。」

薫子先生は市原さんの髪のことで市原さんをいじめている。
でも、薫子先生が怖くて何もできません。
市原さんがかわいそう。
この前なんて授業を受けさせなかったんです。

「一度、調査してみる必要がありますね。」

ーーーー放課後

窓からグラウンドを一人で見ている萌香。
友達と仲良く帰っていく人たちを羨ましそうに見ていた。
私も中学校の頃は友達も、結構いたよな。。。。。
私の髪のことで仲間外れする人もいなかったし。。。。
なんで、こんなことになっちゃったんだろう。。。。

「その髪じゃ友達の一人もできないでしょw」
いつの間にか私の後ろに来ていた薫子先生が笑いながらそう言ってきた。

「薫子先生がそんなんだから、誰も市原と友達になれないんだろ!」
そう言い返してきたのは、上田君だった。

「また、あなたなの。」
薫子先生はあきれたように言ってきた。
「私はね、私のクラスに茶髪の人がいるなんて、耐えられないのよ。」
「私はこのクラスを学年一にしたいのよ。成績の面でも、生活の面でも。」
上田君に対して薫子先生は言葉を続けた。
「あなたには、期待しているのよ。学年トップの成績だし、外見も優等生だし。」
「市原さんに関わるのは、おやめなさい。」

上田君はうつむき、こぶしを握りしめ低い声で答えた。
「学年一のクラスってなんだよ!」
今度は、薫子先生をにらみつけて
「あなたのせいで苦しんでいる生徒がいるのに、」
「学年一のクラスもへったくれもないだろ!」

今にも薫子先生に殴り掛かりそうな上田君
「上田君!やめて!」

「市原、おまえ、このままでいいのかよ!」
「薫子先生の態度が変わらない限り、ずっと、ひとりぼっちだぞ!」

「いいの。。。。ううん、よくないけど、いいの。」
私はどうやって上田君を止めていいのかわからなかった。。。。
「上田君が私の為に怒らないでいいの。」

教室に残っていた人たちは、その様子をただ遠巻きにみているだけだった。
(へんに関わると、私たちまで薫子先生ににらまれるわ。)
(問題起こしたら、内申書にひびくぜ。)

そんな様子のクラスメートの用紙にもカチンときた上田君はクラスメートにも怒鳴った。
「おまえら、クラスメートだろ!」
「もし自分が市原の立場だったら、どうするんだよ!」

心ないひとりのクラスメートが
「そんな髪してるほうが、悪いんだろ。」

怒りが頂点に来てる上田君の肩を不用意につかんだ薫子先生。
「あなたも少しは賢くなりなさい。」
「今謝って、今後一切市原さんと関わらないと誓うなら、今日のことはなかったことにしてあげます。」

「薫子先生!あなたっていう人はーーーーーーー!」
上田君は薫子先生を殴ろうとした。

「だめっーーーーーー!!!!」
私は上田君にしがみつき、殴るのをとめた。

「私、髪染めてきます!ストレートにしてきます!だからーーーーー!」
私の目から涙がポロポロこぼれてそのあとは、言葉にならなかった。

「市原!おまえがそんなことする必要はないんだぜ!」
「間違っているのは薫子先生のほうなんだから!」
上田君は私の腕を両方つかみ、身体をゆすって、そういった。

薫子先生は不服そうに
「市原さん明日までにちゃんとしてきなさいよ。」
と言い残して、職寝室に戻っていた。

私はといえば、しっかり泣き顔

「市原、オレ、おまえのその髪、好きだぜ。」
上田君が優しい声でそう言ってくれた。

私はそれを聞いて、また、泣き顔。
クラスメートは、バツ悪そうにその様子を見ていた。

ーーーー下校中

私が髪を染めればいいだけなんだ。
それで、すべてがうまくいく。
ママだって、わかってくれるはず。。。。。

                      (つづく)




アバター
2025/01/13 10:22
今日もサクッと読ませてもらいました
頑張って書いてますね
アバター
2025/01/13 00:09
> daxiさん
読んでもらえて嬉しいです。
読みやすさを目標に書いているので、読みやすいって言ってもらえると、嬉しいです。
ありがとうございます。」
アバター
2025/01/12 23:56
髪の毛を原因にいじめられる…、胸が痛くなるお話ですね。
そして、薫子先生ひどい!
(感情移入して読んじゃいました( ゚∀゚))

テンポが新聞に載っているような小説のようで読みやすかったし、続きが気になりますね(*´ー`*)



Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.