Nicotto Town


もふもふ0304


FER-8 小説の続き


嗅覚が、一昨日よりは昨日、昨日よりは今日と、わずかずつながら回復しつつある。…と言っても、通常時のまだ2割ほどだけど。
体調は9割5分くらい元に戻った。が、判断力思考力が戻んないよー。
私見だけど、右脳より、左脳がダメージを受けるんじゃないかな?
小説書くことはできるけど、いつもよりミスタッチが多いし、会社にいる時も、手順や段取りを考えて効率よく進めるのが、普段通りにできなかった気がする。
発熱してるとき、頭がぼーっとするよね?アレがずっと続いている感じ。
切れ味鋭い頭脳が持ち味なのに(←自分で言う)、バターナイフくらいの切れ味しかない今の私だった。
でもまあ、続きを書いてみよう。


 薔薇の国と中の国に挟まれた小国の一つに、二年前、突然中の国が侵攻を始めました。
 綿花や綿織物の生産が盛んなこの国を、綿の国と呼ぶことにします。
 長く戦争のない時代が続いていたため、悪く言えば平和ボケしていたこの小さな国を、ある日、中の国の兵隊が、文字通り国ごと取り囲みました。形式的に置かれていた国境沿いの警備兵たちは、不意をつかれたことに加えて圧倒的な兵力の違いに、なすすべもなく捕虜にされました。あまりに素早く取り押さえられたため、ほぼ無血であったことが救いと言えば救いでしょうか。
 捕虜となった警備兵たちに武器を突き付けながら、中の国の兵隊は首都に向かって行軍します。
「抵抗しなければ、こちらも攻撃はしない」
と触れ回りながら行く兵を、農民たちは物陰から震えて見送るばかりです。慌てて逃げる時に転んで怪我をする者はいましたが、兵士が民間人を攻撃することはなく、速やかに通り過ぎて行きました。
 小さな国のこと、兵隊が首都を包囲するのにそれほど時間はかかりません。最前列に捕虜が並び、その後ろを中の国の兵が海のように取り囲む様を見た綿の国の王は、戦闘をあきらめ、国民の安全と引き換えに、中の国の属国になることを了承しました。
 毎年の朝貢に加え、国境には中の国の警備兵を置くこと、中の国の命令があった場合には他の国に進軍することなどが言い渡されました。
 綿の国の王は、国防に無頓着であった自分を反省し、中の国に見とがめられぬ範囲で、兵たちを鍛え直させました。また、いつ有事になるかもしれないという意識を国民にも持たせ、非常時の避難訓練も定期的に行わせました。
 1年前の、中の国にとっての戦勝記念日には(綿の国にとっては敗戦の日ですが)、綿の国では大掛かりな避難訓練を実施し、視察に来た中の国の王は、綿の国の王より一段高い場所からそれを眺めることとなりました。その後は、中の国の王を讃える宴が催されます。訓練の一環として城内に逃げ込んだ市民たちにも、振る舞い酒や菓子などが渡され、訓練というよりは、お祭りの様になりました。
 そしてもうじき、2度目の戦勝記念日がやってきます。今年は中の国の将軍である、第二王子が視察に訪れます。侵攻の際に兵を率いた人物です。

 綿の国で、第2回戦勝記念日避難訓練の準備が行われているとき、薔薇の国では、石の国との和平交渉が行われていました。そしてその場で、薔薇の国の宰相はある策を打ち明けます。
 「題して、綿の国侵攻に見せかけて中の国の王子様一本釣り大作戦です」
誇らしげに言う宰相に、あからさまに嫌そうな顔をする女帝。
「なんじゃそれは。ふざけた名前を付けおって」
「真剣な時ほど独自のネーミングセンスを発揮するのが師匠の癖なのでございます。わたくしに免じてお許しくださいませ、お姉様」
三の姫がとりなします。
「もうよいから、その一本釣りとやらの中身を申せ」
省略されて、宰相さん、心なしか寂しそうな顔です。
 「陛下は、自国が攻められたとなれば防衛はなさいますが、御自ら他国に攻め込むことはなさらない、そういう評判を逆手に取り、2年ほど前に中の国が行った綿の国への侵略行為をそっくりそのまま再現して、綿の国を手中に収めようという作戦です。綿の国を属国にするのが目的と見せかけて、真の狙いは第二王子を人質として捕らえることにあります。中の国の王は、第二王子を殊更に可愛がっておられるとの事、第二王子と引き換えになら、どんな条件でも飲まずにはいられないでしょう」
「そうたやすく事が成りましょうか。中の国の警備兵に加え、綿の国自体の兵も抵抗しましょうに」
と石の国の代表団の一人が訪ねると、宰相は笑って答えました。
「綿の国には話をつけてあります」
驚く石の国の代表に、宰相は説明を続けます。
 「我が国の兵の邪魔をしなければ、結果的に貴国の自治権が取り戻せますと持ちかけましたら、綿の国の王は申し出を快諾してくださいました。それどころか、警備兵には振る舞い酒だと言って、眠り薬入りの酒を差し入れさせるとも言ってくださいましたよ。第二王子を讃える宴の最中に、わが軍は粛々と首都を包囲し、今頃王子様を一本釣りしているところと思われます。そろそろ知らせがこちらに届く頃ですよ」
言うそばから、伝令が部屋にやってきて奏上します。
「申し上げます。作戦成功との狼煙を確認いたしました」
チェスに勝ったとでもいうような涼し気な顔の宰相を、石の国の代表団は、ゾッとした様な顔で見ています。
「わかるぞ、その方らの気持ち。わが宰相は、頭の良すぎる男なのじゃ。私とて、亡き父上に対するこやつの絶対的な忠誠を信じていなかったら、他国に寝返る前に、殺してしまったかもしれぬ」
「お姉さま!」
三の姫が女帝を睨むと
「そう怖い顔をするでない。こやつとて、父上の跡継ぎたる私がぼんくらだったら、私を暗殺するくらいは考えたことがあるはずじゃ。幸い、そうぼんくらでもないらしい」
女帝が笑い飛ばすと、宰相は複雑そうな顔をして言います。
「わたくしの、亡き我が君への忠誠は揺らぎません。死の床で、この国と娘たち四人を頼むとおっしゃられたからには、四方ともにお幸せになっていただくのがわたくしの使命と心得ます」

 貧乏貴族の少年のその才を見出し、高度な教育を受けさせ、若くして宰相に取り立てたのは女帝の父親です。仕事一筋、頭の良すぎる男と呼ばれ、どんな時にも冷静であった彼が唯一動揺したのは、弟子である三の姫から求婚された時であったとか。

  続く

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2024/10/08 19:20
> つつきさん
ファンタジーにリアルをぶっこんで来ないでいただきたい。
プーチンには別に読んでほしくないぞー。
ニコタに足を踏み入れる前に、ウクライナから完全撤退しろ~!
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2024/10/08 19:17
> せんちゃんさん
おじさんよりかは若いかな。
女帝よりは年上だけど、女帝の父親よりは年下だし。
三の姫が、年上好きってのもあるかもしれないね。
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2024/10/08 19:13
> 浦島の亀さん
最後の一文が書きたくて延々書いてたようなもの。
そこに赤い薔薇に囲まれた三の姫の挿絵が入るイメージで。
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2024/10/08 05:41
綿の国の王は外患誘致罪な!!
第81条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は,死刑に処する。

しかし綿の国には日本の法律適用されない・・しょんぼり
でもこんなことに協力する王がいるのかな?って思ったらいたわ
李氏朝鮮。
日本兵が王妃を殺した!っていうけど、日本兵が王妃の顔しってるわけなく(王妃の写真といわれたものは写真館で撮影された娼婦だった)王が手引しないと無理なんだよねぇ。
現場に王もいたと自ら証言してるし、「私の部下がやった」と言っている。
他の兵士をおさえるために日本軍も協力したけど、王妃の私室に踏み込むのは大韓帝国の王の配下がやったのだが・・今では何故か日本のせいにされている謎。
叔父の娘に恋慕した王子が王と王妃の両親、自分の姉などを銃殺したネパール王室もあるし(王子は警備兵に撃ち抜かれ死亡。そしてその場にいなかった叔父が王座についた)王国は色々あるなー。

さてはて?
宰相の思う通りに計画はすすむのか??
そんな簡単に他国が手に入るのか?
プーチンも読めばいいのにね!
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2024/10/07 15:04
もふもふさん、もともと頭脳明晰だからバターナイフ(笑)くらいで常人レベルかも。
嗅覚が通常の2割というのは、かなり辛いね。わたしがもしそうなったら猫トイレの掃除がラクになるくらいしかメリットないな。美味しい物も味気なく感じるよね。

宰相さん、途中までおじさんに脳内変換してたけど若いのかな。それとも三の姫がおじさん好きとか( ´艸`)。
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2024/10/07 09:17
あははは、最後の最後にまさかの爆弾(≧▽≦)
そりゃ動揺するっしょ~!(≧▽≦)
そこんとこ、もっと詳しく!と言いたいところだけど、
話の先も気になるから、そのうち、外伝としてお願いします。
体調と嗅覚、戻ってきてるようで、よかったよかった!
でもまだ完全じゃないんだから、無理しないで、お大事にね~♪




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