ジュンチャンと世界を巡る 第73回はパラグアイ
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2024/10/03 06:42:21
パラグアイは南アメリカ中央南部に位置する共和制国家で、東と北東をブラジル、西と北西をボリビア、南と南西をアルゼンチンに囲まれ内陸国となっていて、首都はアスンシオンです。
歴史ですが、先コロンブス期の現在のパラグアイに相当する地域には、グアラニー族【先住民族の一つで、主にパラナ川からパラグアイ川にかけてのラ・プラタ地域(現在の地域でアルゼンチン、ボリビア東部、パラグアイ、ウルグアイ)と、ブラジルに住んでいた。】や狩猟民族が住んでいました。
1537年にこの地がスペインの植民地となると、スペイン植民地社会とイエズス会によるグアラニー族への布教村落の二重社会が成立し、スペイン統治下で現在のパラグアイ共和国の前身となる領域的な一体感が形成されました。
グアラニー族が高度な文化を発達させたイエズス会の布教村落が1767年のイエズス会追放によって衰退した後、19世紀に入るとパラグアイは他のイスパノアメリカ諸国に先駆けて1811年に独立を達成しました。
独立後のパラグアイは南アメリカで最も産業化の進んだ国家となりましたが、1864年から1870年まで続いた三国同盟戦争によって国家の基盤は完全に崩壊しました。
その後、社会は停滞したまま20世紀を迎え、チャコ戦争やパラグアイ内戦を経て1954年にアルフレド・ストロエスネルによる長期独裁政権が樹立されたのですが、1989年にクーデターによって独裁政権は崩壊しました。
そして、コロラド党政権が61年続き、2008年の大統領選挙では中道左派の愛国同盟が勝利しましたが、現在は再びロラド党政権が続いています。
地理ですが、パラグアイはパラグアイ川(パラナ川最大の支流で、全長2,621kmの川である。)によって、東西に東パラグアイと西パラグアイ(チャコ)と呼ばれる地域に分かれています。
東部は国土の40%、人口の97%近くを有し、丘陵と平原が交錯する地形で、森林と肥沃な大地からなり、アマンバイ山脈がブラジルとの国境を形成していて、西部はきわめて人口が過疎であり、乾燥した疎林地帯やアルゼンチンとの国境を流れるピルコマヨ川流域の湿地帯で、川沿いには北欧系やロシアの入植者や先住民が住み、チャコ地域全体でも総人口は10万人程度です。
南西はパラナ川が国境線となり、この川でブラジルとイタイプー・ダムを共有していて、このダムは現在のところ水力発電をする世界最大のダムであり、パラグアイの電力需要のほぼすべてを賄っています。
また、ジャスレタ・ダムがもうひとつパラナ川にあり、こちらはアルゼンチンと共有していて、パラグアイは現在のところ世界でもっとも多く電力を輸出している国です。
大規模な遺跡も雄大な自然美もない国ですが、素朴でのどかなこの国はまさに桃源郷で、なだらかな緑の丘の向こうに古い教会の白壁が映え、村の家々には色とりどりの花があふれています。
ここから観光地の紹介です。
まず、パンタナル湿原です。
世界最大級の湿地帯であるパンタナル湿原はパラグアイ、ボリビア、ブラジルにまたがり、南米のちょうど中心に位置する観光客に人気のエリアです。
そのほとんどはブラジルに位置していますが、パラグアイからでも観光が可能です。
パンタナル湿原では世界的にも珍しい動植物を多く見ることができ、中には絶滅危惧種に含まれている希少な動物もおり、ジャガーやワニ、カワウソ、コウノトリ、そして日本でも温泉に浸かる動画が話題になったカピパラも見ることができます。
雨季には80%が水に浸かってしまい道がなくなってしまうため、パラグアイ川沿いの町、コンセプシオンからクルーズに乗って観光します。
次に、イエズス会伝道所群です。
「ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ」と「ヘスース・デ・タバランゲ」のイエズス会伝道所群は、18世紀に設立されたパラグアイに残るイエスズ会の伝道所の遺跡で、パラグアイ唯一の世界遺産です。
伝道所はパラグアイの原住民にキリスト教を広めるために作られた集落で、ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ遺跡は地元ではトリニダー遺跡と呼ばれ、教会や学校、集会所、博物館、住居などを見ることができます。
遺跡へはアルゼンチンとの国境にある街、エンカナルシオンからバスかタクシーで40分ほどで、トリニダー遺跡からヘスース・デ・タバランゲへは20分ほどです。
最後に、政府宮殿です。
首都アスンシオンのパラグアイ川近くにある政府宮殿は、19世紀にフランスのルーブル美術館をモデルにして設計された、アスタシオンで一番人気の観光スポットです。
三国戦争のため完成には35年がかかり、初めは白亜の宮殿だったのですが、今は優しいピンク色になっています。
建設当初のパラグアイ大統領の名前をとってロペス宮殿とも呼ばれていて、夜はライトアップされ、昼間とは一味違う宮殿の様子が楽しめます。
次回も普通に南米の国々を旅しますが、気楽に遊びに来てください。