【第6話】シン ラジオ・ガール
- カテゴリ:自作小説
- 2024/09/25 21:49:42
※今回は、「俺」ではなく、新入部員の甲斐名都(1年 美少女? 天然系)の視点からのお話です。誤解ないように(笑)※
何だか先輩最近おかしい。
もうすぐ夏休みだから、みんな浮かれてるのはなんとなーく同意できるんだけど。
実は先週、地震があったのに連絡も取れなくてちょっと困っちゃった。
先輩は大丈夫だったって言うんだけど…
まぁ、先輩は普段は割とクールっていうか、モノに動じないっていうか、
まあ悪い言い方すれば「感情が薄い」人なのに、先週何かのイベントで隣町に行ってから、何だかちょっと ふわふわ しすぎ な気がする。
いつもラジオ聞きながらテキストとか読んでたりして、部活らしい部活もしてなかったくせに、急に分厚い本を図書室かどっかで借りてきたのか熱心に読んでる。
あたしは、ちょっと気になって…そっと先輩の背後に回り込んでみた。
めっちゃ難しそうな、天文学の専門書なのかな。
あわゎ… この人…
「せんぱーい、何読んでるんですか?」
「わわっ なんだ?甲斐…何しに来た?」
「何しに…じゃないですよ。部活じゃないですか。毎日部活やってる真面目少女になんて質問するんですかっ」
私はいつもそうするように、先輩の座った椅子のひじ掛けにちょこんと座ってみた。
先輩は慌ててその本を隠そうとするけど、タイトル見えちゃった。
「へぇ…『天文学の基礎』ですか… やりましたね!」
「ええ?な、何が?」
「ついに先輩も、真面目に天文学部活動に取り組もうって意思が出てきたんですね!私が毎日先輩を説得し続けていてたから、やっと目覚めて下さった…んでしょ? 嬉しいですっ!」
ちょっと感動して、涙が出ちゃった。
私はもともと涙もろい感激屋だって、親友のももちゃんからもよくからかわれるし自覚もある。
ももちゃんにも「名都はホントに天然すぎるよ」と言われるけど、私は絶対天然なんかじゃないっ。
「なんで泣くんだよっ!やめろー!
俺が泣かせたみたいじゃないかっ
だいいち、俺はお前に言われたからこの本読んでるんじゃねーぞ!」
愕いたように先輩は、私の方を見て、ポケットに手を突っ込んではハンカチを出してきた。
私は知ってる。
先輩は案外きれい好きだ。
男子の一人暮らしだから、だらしないのかなって思ってたけど、制服のシャツはきちんとアイロン当たったのを毎日着てる。ファブリーズとかしてるのか、汗の匂いもしないし。
だから、演繹的に考えて、差し出されたハンカチは清潔だ…と直感したの。
受け取ったハンカチで涙を拭いてみた。
先輩は、分厚い天文学の本をどうしようか迷った感じで、持て余している感じ。
「え、違うんですか?」
馬鹿らしい。
私の説得がまるで効果なかったなんて、がっかりだよ。
軽く先輩を睨んでやった。そしたらそれに気づかない振りをして
「当たり前だろ。入部以来毎日そう説得されて、それで俺が1ミリでも動かされたことがあったか? もう…
こらこらっ洟をかむんじゃないっ!」
「いいじゃないですか。洗って返しますからっ」
「そんなことしなくていいからさっさと返せ」
「いやですよ。私だって女の子なんだから、最低限それくらいはします!」
先輩が私の手に握られた自分のハンカチを取り戻そうと手首掴んできたので、こっちも渡すものかって手を胸に引き寄せて防御の体勢を取った。
先輩はそれでも強引に引き剥がそうとする。
「いや~~~~っ!」
叫んだ途端に、部室のドアが開くのが見えた。
「オマエってやつは… ちょっと目を離したら、こんなふしだらな事を!!」
勿論、槇村先生だった。
先輩ってついてないよね。
第三者から見たら、そりゃヤバイ状況に見えるもんね。
ゴメンね。先輩…(笑)
(続く
さてこれから何が起こるのか??という感じかな。
次も読んできます!
それから他のサイトも見てたらコメ書くの忘れて放置してましたw
ゴメンね。先輩…(笑)
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甲斐名都のマネw