Nicotto Town



戦え‼ぽん家 それぞれの戦い④SIDEぽん美

ぽん美は暗闇の中を佇んでいた。

「こ、ここは…?」

「ここは外界から隔絶された異空間だ。」

振り向くと筋骨隆々の大男がいた。アフロヘアーで頭に一対の角を
生やし、上は裸で下はブーメランパンツのみ。両腕と両脚に円筒形の
装甲を付けている。

「ポンデス軍か!」

「いかにも。四天王の一角、ファロバーマ・アクチョージだ。
キルポーンに二人一緒に引きずり込んでもらうつもりだったが
自ら飛び込んでくるとは思わなかったぞ。」

「何故この空間に引きずり込んだ?」

「我が出張るとパワーバランスが崩れるからな。余程のことがない限り
ここで待機しているのだ。」

「大した自信だが相手が悪かったな。お前如き一捻りにしてくれる!」

「フッ…来るがいい。」
ファロバーマは軽く手招きした。

2人の攻撃が激突!…することはなくファロバーマが両拳を振るって
ぽん美に迫るもぽん美は巧みに躱して反撃の機を伺っていた。時折
攻撃に転じているが思ったほどの傷は与えられていないようだ。

「思ったより楽しませてくれるではないか。」
ファロバーマは頭を突き出して角を突き下ろした。

躱せないと感じたぽん美は剣を横薙ぎに振って角に当たった瞬間に
剣を下に落としていなすと同時に後ろに下がった。

「ぬぅんッ‼」
ファロバーマは右のパンチを放つもぽん美はやや屈んで潜り抜けた。

「もらった‼」
ぽん美は心臓目がけて剣を突き出した。

「甘いわ‼」
ファロバーマは回避することを読んでいたかのように左のアッパーを
放った。

「だろうな。」
ぽん美は更に身を屈め、スライディングでファロバーマの両足の間を
潜り抜け、起き上がるとすかさず無防備な背中に剣を突き入れた。
決まったかと思ったが

「なん…だと?」
ぽん美は信じられないといった表情でヨロヨロと数歩後退った。

「間違いなく致命の一撃を入れたはずなのに…何でかすった程度の
傷しかつかないんだ?」

「それはうぬと我の力の差がありすぎるからだ。」

「力の差がありすぎるだと?ぽん美は最強の戦士だぞ‼ぽん家の
戦士の力は凡そ90から95人力、歴史に名を残した英雄でも97人力
程度だが、ぽん美はそれを超越した100人力なのだ‼」

ぽん美は腕を直角に曲げて力こぶをアピールするポーズをした。

「フッ…たったの100人力か…」

「何がおかしい?」

「人間のあまりのひ弱さに笑っておったのよ。そんなうぬに一つ
教えてやろう。力の差とやらを。」

「力の差だと…?」

「そうだ。我の力は一騎当千。つまり一千人力なのだ‼」

「い…一千人…力…ぽん美の10倍の力だとういうのか?」

「いや…正確に言うと999人力だったな。」

「どういうことだ?」

「我も昔はうぬと同じ100人力だったのよ。だが…‼我はもっと
強く!もっと高みへ登ることへの渇望が尽きなかった!そこで我は
ポンデス様と契約し、強敵を1人倒す毎に1人力増やせるようにして
もらったのだ。先の大戦でぽん家の戦士を3人倒して899人、つまり
今は999人力。うぬを倒せば一千人力となるのだ!」

「さ…3人だと?」

「いかにも。確か鷹のマスクの男とライオンのマスクの女と虎の
マスクの女だったな。」

「お、お前が伯父さん達を!許さん‼」

ぽん美は再びファロバーマに詰め寄ったが

「うぬの動きは既に見切っておるわ!ハリポーンミキサー‼」
ファロバーマは身を屈め、頭を突き出して突進した。

(´゚Д゚):;*。:;ガハッ

ぽん美は上半身の強化装甲が粉々になって胸から血を噴き出し、
回転しながら吹っ飛んで地面に転がった。

ぽん美はふらふらになりながらも立ち上がった。

「こ、こんなの伯父さん達が受けた痛みに比べれば!ぬああ‼」
ぽん美は気合を入れて胸を肥大させ、傷を塞いだ。

「ほう。強化装甲を砕かれてもまだ諦めぬか。」

「先斗神拳に絶望はない‼」
ぽん美は剣に光を纏わせ、宙返りした。

「舎利椪クラーーッシュ‼」

「バカめ!宙では攻撃は躱せまい!ジャンピングハリポーン
ミキサー!」

ファロバーマはジャンプしながらぽん美に頭突きを入れた。

(´゚Д゚):;*。:;ガハッ

ぽん美は再度吹っ飛んで転げ落ちた。剣は折れ、下半身の強化装甲も
砕け、直撃を受けた膝はありえない方向に曲がっていた。

うう…や、やはり100人力では一千人力には勝てないのか…
いや、まてよ。確かこれと似たような話を聞いたことがあるぞ。
あれは確か…

ファロバーマは踵を返して立ち去ろうとしたが立ち上がった
ぽん美の気配を感じ取った。

「よせ。うぬはよく戦った。武士の情けで見逃してやろうと
いうのだ。せっかく拾った命を無駄にすることもあるまい。」

「見えたのさ。勝機がな。」

「勝機だと?剣は折れ、強化装甲も砕けたのにどうするというのだ?」

「こうするのさ。椪着‼」

ぽん美は赤い光に包まれ、再び舎利椪を身に纏った。

「ム…!砕け散ったはずの強化装甲が何故?」

筆者のつぶやき:
ぽん美は1ミリ秒で赤射椪着を完了する。では、椪着プロセスを
もう一度見てみよう。

『椪着‼』

灼熱の太陽エネルギーがグポンドバースの増幅システムにスパーク
する!増幅されたエネルギーが赤いソーラーメタルに転換され舎利椪に
赤射椪着される!

「つまりグポンドバースと太陽エネルギーがあればいくらでも復活
するのさ。」

「再び強化装甲を纏ったところで我とうぬの力の差が埋まらないこと
には変わらぬぞ。」

「言ったろ。勝機が見えたとな。いくぞ!」
ぽん美は2本の剣に光を纏わせて斬りかかった。

「2本に増やしたところで軽いわ!」
ファロバーマは片腕であっさり受け止めてぽん美を吹っ飛ばした。

「いや…計算通りさ。」
ぽん美はしてやったりといった感じでほくそ笑んでいた。

ぽん美が見た勝機。それは…

「剣を2本にすることによって100人力プラス100人力で200人力‼
さらにお前に吹っ飛ばされたことで2倍のジャンプ力を得た。これで
200人力×2で400人力‼」

空高く吹っ飛ばされたぽん美は天井に着地した。

「そうくるか。だが、一手足らんな。そこからのジャンプ力を
加えて倍にしても800人力。我には遠く及ばぬ。」

「そうでもない。これに錐揉み回転と螺旋回転を加えれば3倍はいく。
今のぽん美がため込んだ力の400人力×3でファロバーマ!お前を
上回る1200人力だッ‼」

ぽん美は天井を蹴って回転した。
「ウオオオオーーッ‼」

ぽん美の体は徐々に光を帯び、1200人力の光の矢と化したが、

(´゚Д゚):;*。:;ガハッ

ぽん美は3度吹っ飛んで転がり、意識を失った。左腕は肘から先が
千切れ飛んでいた。

「見…見事だ…我は肉を斬らせて骨を断つつもりだったが…まさか
骨を断たせてタマを取るとはな…」

ファロバーマは左胸を剣で貫かれ、前のめりに倒れて絶命した。

激突の瞬間、ぽん美の剣はファロバーマの顔面を捉えていた。
ファロバーマは首を左に傾けてぽん美が右角を斬り落とすと同時に
右フックでぽん美の左肘を粉砕したが、ぽん美は右手の剣で
ファロバーマの心臓を刺し貫いていたのだ。

ぽん美の命の灯が消えそうになったその時、ぽん美から光の靄が
立ち上り、守護神の姿を象った。

「このままでは主が危ない。」

「しかしここまで粉砕されては治療は無理だ。」

「そうでもない。そこに良い素材があるではないか。」

「ファロバーマとやらの角か?」

「そうだ。それを骨に加工して埋め込むのだ。」

「よし。我らの力を結集して主を救うぞ‼」

守護神達によるぽん美の治療が始まった。

つづく

アバター
2024/07/10 23:22
..............
アバター
2024/07/06 19:27
ぽん美さんには頼もしい守護神が付いているようですね。復活なりますか、こうご期待ですね~^^



Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.