1848番:ペルル嬢(20)
- カテゴリ:日記
- 2024/06/25 08:14:15
ペルル嬢(20)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant
—————————【20】——————————————————
Quant au père, c' est un charmant homme, très
instruit, très ouvert, très cordial, mais qui aime
avant tout le repos, le calme, la tranquillité, et
qui a fortement contribué à momifier ainsi sa fa-
mille pour vivre à son gré, dans une stagnante
immobilité.
——————————(訳)—————————————————
父のほうは魅力的な男性で高い教育を受けており、
解放的な性格、真心のある人なのですが、どのような
休息にもまして好んだのは平静や静寂であった.彼の
この好みに合わせて生活をするためにこの静けさが彼
の家族をよどんだ動きのない停滞した、ミイラのよう
な生活に追い込んでいたのでした.
——————————《語句》—————————————————
cordial:(形) 心からの、真心のこもった、親切な
repos:(m) 休息、休憩、休養、休暇、休日
fortement:強く、しっかりと
contribué:[コントリビュエ](p.passé)
< contribuer (自) (àに)貢献する、寄与する
momifier:(他) ミイラにする
se momifier:(pr) ミイラになる;
Momifier-cuilleur s'est momifié. /
ミイラ取りがミイラになった.
gré:(m) 好み
vivre à son gré:彼の好みのままに
stagnant(e):(p.pré、形) ❶よどんだ、
②停滞した、不振な
< stagner [スタグネ](自) よどむ、不振である
immobilité:(f) 不動、不動の状態、不変
———————————≪解釈≫——————————————
西洋文学は、基本的に暗喩、直喩を、料理にたとえると、
塩、コショウのように文章に振りかけます.今回はミイ
ラが出てきました.家族をみんなミイラにしてしまった
と言っているのですが、まともに受け取ってしまっては
怪奇小説になってしまいます.シャンタル氏の静寂好み
に家族が協力してみんなミイラみたいになってしまった
と言っています.