Nicotto Town



戦え‼ぽん家 それぞれの戦い①SIDEぽみ平

「ぬおおぉぉ~~っ‼」

気を抜くなと言った矢先に真っ先に落とし穴に嵌ったぽみ平は
真っ逆さまに落下していき、やがて地面が見えてきた。

「くッ!間に合え~っ‼」

ぽみ平はかろうじて3点着地で着地に成功した。

「子供達は無事に先に進めているのかのぅ…」

子供達の事が心配ではあったがとりあえず先に進むことにしたぽみ平は
ガラケーを変形させた光線銃を装備した。

先を進むと蝙蝠のような魔物の群れが現れた。

「邪魔するな~!」
ぽみ平は光線銃を連射して魔物を一掃した。

さらに進んでいくと

「待っていたぞ。ぽみ平。」

5m四方くらいの小部屋に佇む者がいた。
世紀末拳法兄弟の3男のような肩に棘が付いたパンク衣装を纏い、
ヘルメットをかぶっている。

「はて…誰ぢゃったかのぅ?」
ぽみ平には心当たりがないようだ。

「ふざけるな!ポンデス軍最強にして最終兵器と名高い
アミーバ・ジャーギー様だ!」

「おお~っ!そうぢゃった。先の大戦の時のあまりの小物ぶりに
すっかり忘れておったわ。」

「俺は貴様のことを1日たりとも忘れたことはない!見るがいい!」

そう言ってアミーバはヘルメットを脱いだ。そこにあったのは毛髪が
剥がれ落ち、頭部と顔面を金具で固定し、血流を補うためのバイパス
チューブが露出した悍ましい姿であった。


先の大戦。ぽみ平はアミーバと対峙していた。

「フッ。先斗の拳士如きにポンデス軍最強とうたわれる俺様が負ける
はずがない‼いくぞ!」

2人は互いに間合いを詰め寄った。

「かかったな‼」

「う‼」

アミーバがすれ違いざまに放った含み針がぽみ平の目元に刺さった。

「タヒね!阿修羅地獄拳‼」

アミーバは6本に見えるくらい両手を素早く動かしてぽみ平に
迫ったが、

ガクッ

「あ、あら⁉」
突然膝が抜けた。

「あた‼」
ぽみ平は顔面にパンチを突き入れた。そして

「あ~たたたた‼」
アミーバにパンチの雨を浴びせた。

「どぉえへぷ‼」
アミーバは吹っ飛び、壁に激突して転がった。

「うぎゃあ~っ‼」

アミーバの顔が歪み、毛髪が抜け落ちた。

「くッ!今日はこのくらいにしといてやる!いつか必ず杀殳してやる
からな~‼」
そう捨て台詞を残してアミーバは逃走していった。


「覚悟しろ!今度は貴様が俺のようなツラになる番だ‼あの時は
俺が足を滑らせたために運よく俺に勝てたが…」

「まだ気づかないのか?あれは足が滑ったのではない。既に秘孔を
突き足の自由を奪っていたのぢゃ‼」

「嘘つけ!今度こそ俺様の真の力を見せてやるわ‼明王地獄拳‼」

アミーバは8本に見えるくらい両手を素早く動かしてぽみ平に迫り、
すれ違いざまに含み針を放ったが

「なっ‼」

ぽみ平は含み針を指で挟んで防いだ。

「お前の動きなどスロー過ぎて欠伸がでるわ!」

ぽみ平はアミーバに迫り、パンチを突き入れようとしたがアミーバは
咄嗟に躱し、勢いあまって壁を破壊した。

やがて壁から泥のような水が噴き出した。

「バカめ!自分から罠に嵌るとはな!俺様が何も考えずにここで
待ち受けていたと思うか?この泥水は空気に触れると急速に固まる。
つまり、貴様の最大の武器である素早さを封じれるということよ!」

「くッ!」
ぽみ平はすかさず光線銃を携えたが

「おおっと、やめときな。お前はあらゆる挙動に雷を伴う。使えば
最後、感電するだけだぜ。」

「ぢゃが、この距離ぢゃと貴様もろくな攻撃はできまい。」

「それはどうかな?そうれっ!」
アミーバが腕を振り上げると斬撃が飛び、壁を切り裂いた。

「なっ‼ま、まさか、麺麭斗絆鶴拳か⁉バ、バカな~!それは
ぱん乃の拳のはず!何故お前が⁉」

ぽみ平は驚愕した。

「俺様のスキルを忘れたか?」

「ま、まさか…!タヒ者喰らいか‼」

タヒ者喰らい:
自身が取り込んだ相手の記憶と能力を己のものとするスキル。
椪明書房刊『異世界ナントカのギフト一覧』より

「そうよ。あの女。ぱん乃といったか?美味しく頂いたぜ~?
お~っと!そんなに怒るなよ。倒したのは俺じゃない。俺が見つけた
時には既にこと切れていたんだ。だから頂いたのさ。」

しれっと答えるアミーバにぽみ平の怒りがこみ上げた。

「貴様だけは許さん‼」
ぽみ平から闘気が立ち上り、ぽみ平が契約する神々の姿を象った。

ぼさぼさの髪形に尻尾を生やした神
全身緑色で額に2本の触角を生やした神
禿頭で額に6つの黒点があり、鼻がない神
禿頭で額に第3の目があり、4本の腕を生やした神
目元に切り傷がある以外これといった特徴のない
皆憤怒の表情でアミーバを睨んでいる。

「どう足掻こうが素早さを封じられた今、貴様は羽を捥がれた水鳥‼
この俺様の手で哀れに醜くタヒぬのだ!」

アミーバが腕を振り上げると水面に描かれた亀裂がぽみ平目掛けて
走っていき、ぽみ平を切り裂いた。

「くっ‼」

「ようやく!ようやく貴様を醜く切り刻む時がきた!
そうらそらそらそら!切れろ切れろォ!」

アミーバは矢継ぎ早に斬撃を放った。

「ぐああ‼」

ぽみ平は意識が朦朧とし、走馬灯がよぎった。それは先の大戦前の
若かりし頃の記憶だった。


「また俺の勝ちだな。」

「もう~っ。また素早さ極振り?いい加減にしてよね。」
彼女の名は範田ぱん乃。ぽん家と共に世界の平和を守るぱん家の一員で
麺麭斗絆鶴拳の伝承者である。彼女は先の大戦の時、ぽみ平と一緒に
ポンデス城に攻め入ったが行方不明になっていた。

「素早さ極振りの何が悪い?見切れない程の速さで近づいて一気に
決めればおしまいじゃないか。」

「もう知らない!」
ぱん乃は踵を返して川に入っていった。

「お、おい!ぱん乃!」
ぽみ平は慌ててぱん乃を追いかけて川に入った。

ぱん乃は素早く振り向いてぽみ平に斬撃を放った。

「うわっと!危ないじゃないか!」

「それがあなたの弱点よ。水の中だとあなたお得意の素早さも雷も
封じられて手も足も出ないでしょ。」
ぱん乃は腕を組んでドヤった。

「じゃあ、どうすればいいっていうんだ?」

ぱん乃は人差し指を顎に当て
「そうね~。ぱん乃の技じゃないんだけど…」


そこでぽみ平の意識が戻った。

「ぱ、ぱん乃…」
ぽみ平は両腕を組んでアミーバの攻撃を耐えていた。

「とどめだ!タヒね!ぽみ平!麺麭斗絆鶴拳奥義血粧絆‼
(ぱんとぱんかくけんおうぎ けっしょうぱん)」

「あああああ~ッ‼」
ぽみ平は気合を入れて両手を振り上げた。

「シャオゥッ!」
掌で水面を叩き、掌で水面を支えたまま水面下から足を引き出して
立位体前屈のような体勢になり、逆立ちの態勢で宙を舞った。

「な…‼」
その美しさにアミーバは言葉を失い、呆然としていた。

ぽみ平は頂点で回転して態勢を入れ替え、足から落下した。
そして大きく振りかぶった両腕を振り下ろし…

「シャオゥッ!」
ドバアッ!

「麺麭斗畔鳥拳奥義‼飛翔白畔‼
{ぱんとぱんちょうけんおうぎ ひしょうはくぱん)」

ぽみ平の手刀はアミーバの肩を切り裂き、胸まで達していた。

「バ…バカな‼な、何故貴様が麺麭斗聖拳を?」

「ぱん乃が…教えてくれたんだ…‼」

「そ…そんな…ぐふっ!」
息絶えたアミーバから靄のようなものが立ち上り、ぱん乃の姿を
象った。

「ぱ、ぱん乃⁉」

「やっと出てこれた。これで私も逝くことができるわ。」

「ま、待ってくれ!ぱん乃‼」

「ありがとう。ぽみ平。さよなら…ぽみ平。」
ぱん乃は踵を返して宙を舞い、チリとなって消えた。

「安心して成仏してくれ、ぱん乃。ポンデスは儂と子供達の手で
必ず倒して見せる‼」

決意を新たにしたぱみ平は先を急いだ。

つづく

アバター
2024/06/23 22:07
まだまだ 決闘が続きそうですね...
アバター
2024/06/23 15:46
こんにちは~♬ ぱん乃さん、ぽみ平さんのかつての戦友なんですね。




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