Nicotto Town


モリバランノスケ


ウサコの話#5

今日は、早朝から、雲が拡がるドンヨリとした空であった。が、次第に、薄日がさし始めて、カラッとした晴天へと変わった。少し風はあるが、気持ちの良い陽気である。今、丁度、私達
Familyは、語らいの時、Breakfastを終えた所だ。

お蝶の体調は、日を追うごとに回復している。
彼女の表情、仕草から、その様に受け取れた。
お蝶に、ピョン太が、(話の続きを聴きたいな)と、語り掛け、皆の同意を求めた。それに対し
、みんなも同じ気持ちのようだ。お蝶は、(いいですよ。私の話、つまらないかも知れません。
でも、これからの事は、是非、聞いて欲しい)

お蝶は、その様に、前置すると、話し始めた。

○その時、わたしは、自分の幸せって、一体なんだろう、と、考えていました。それは、お金持ちになる事でも、社会的な地位を築く事でもない。心が幸せになる事ではないか。そして、心の故郷、意味(感じ)の世界に生きようと!。

私は、その時、山際から顔を覗かせながら昇ってくる、朝日様めがけて、空中に飛び出していたのです。あの丘、孟宗竹林の東側は、150Mはある断崖です。以前、老クスノキさんに、お聞きした事があります。生きる事が苦しくて自殺するのは罪悪だが、それが幸せと感じて自殺するのは、善行であると。私は、空中を滑空しながら、幸せを感じてました。

皆さんは、獣医さんからお聞きになられたでしょう。ピョン太さんに、見つけられるまで、3 日ほど仮死状態でした。私は、その間、色々な命に成り生きている夢を見ました。

一つは、シドニーの公園に生きる、ユ−カリ大木
二つは、米国のヨセミテに生きる、杉の大木
三つは、アフリカの街中に生きる、マンゴ−の木
四つは、パレスチナの街に生きる、少女
五つは、知床半島の森林に生きる、ヒグマ

とても、とっても、楽しかったです。○

お蝶は、ここ迄、話終えると、宇宙の彼方をじっと見詰めて沈黙した。

ここまで聞いていた皆は、一様に、押し黙ったままである。




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