Nicotto Town


モリバランノスケ


春雨

今日は、早朝から、音もなくシトシトと、そぼ降る雨が続いている。心も、まるで、それを望んでいるかの様に、風景に溶け込んで、一緒になって、楽しんでいる。それは、これから本格的に訪れる春を待ち焦がれる、本番へのプロムナード。

雨という言葉で、想い出す事。

その(1)
学生時代は、新宿を発着する私鉄沿線に下宿。学校は、千代田区に。週に一度、授業が遅く始まる曜日が。映画鑑賞日と決め、新宿の伊勢丹向かいの名画座に。フランス映画、カトリ−ナドヌーヴ主演、(シエルブ−ルの雨傘)を思い出す。

その(2)
学生時代の所属クラブ。夏の旅行で八幡平に。
雨の中(多分台風?)徒歩で、秋田県の玉川温泉から岩手県の八幡平への道のり。ずぶ濡れになりながら、県境の横断。やっとの思いで到着した地熱で有名な温泉宿。冷えた体が温められた。

その(3)
働き盛り(30歳半ば)。仕事で、アフリカのカメル−ンに滞在。彼の地は、スコ---ルと言って、晴れていても、一日に一度は雨。ホテルの窓から、道を行き交う人々を眺める。褐色の肌に、原色の洋服がよく似合う女性。手にフランスパン。

その(4)
働き盛り(40歳半ば)。仕事で、アメリカのロスアンゼルスに滞在。彼の地は、雨が殆ど降らず、少ない。だから、街中の道路、植え込みの中に配管を設置。早朝に決まって散水。早朝ジョギングの際、それが虹の様。(失礼、雨ではなかった)

その(5)
今、現在、降り続いている雨。老クスノキ、開花間近な桜達を始めとする、森の総ての草木樹木達が、さも気持ち良さそうに、天を仰いで、雨の雫を受け止めている。そこには、春本番を心から待ち望む、山に生きる全生命の息吹が。

○雨の音、我々の心を、広く軽く深くさせる○




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