Nicotto Town



朝食会議【3】金銀銅 お野菜狂騒曲【終】

ロキの次は 双子の兄の「セト」。ホテルマンの幽霊「タウラス・マタドール」。乱入者続きの朝食会議。

「あの~、言い忘れてたことが~。近々 ゴールドピーマンが~」
チュニスが全部言い終わる前に 玄関の呼び鈴が鳴る。
「毎度どうも~。ヘモグロ便で~す!チュニス・セラムさんにお届け物で~す!」
毎年この時期 ヘモグロ便の配達員「チシオ・アカイ」が チュニス・セラム宛てに 届ける物といったら…
木箱単位で大量に来る MPが全回復するけど 超絶苦い黄金のピーマン『ゴールドピーマン』である。
「チュニス!そういうことは 早よ言わんかーいっ!!」「あらら~ 言う前に~ 来ちゃったね~」
セリカのノリツッコミを チュニスは やんわりと受け流した。
「今回は ゴールドピーマンの他に「シルバーシシトウ」や「ブロンズオニオン」もありますよ~」
チシオが ゴールドピーマン以外に 追加で届け物があることを にこやかに報告した。
白銀色の獅子唐辛子『シルバーシシトウ』。青銅色の薄皮に包まれた玉葱『ブロンズオニオン』。
これらもまた 大量に 木箱単位で メンドーサ隊の事務所の方へと 運び込まれていく。

「ゴールドピーマン、シルバーシシトウ、ブロンズオニオン…。黄金、白銀、青銅が揃ったな…。
去年は ゴールドピーマンだけだったのに…」
ブランは 事務所の玄関や食堂をあっという間に埋め尽くす 作物が詰まった木箱の物量に圧倒されていた。
去年は 学院の生徒たちに声を掛け、メンドーサ隊の手伝いへ行かせただけで
実は 一度も チュニスの実家の大農園から大量に届く作物たちの加工など 作業をしたことがない。
「聖闘士3点セット?」ロキが続く。
「ゴールドピーマンは いつものように ドリンクに加工するとして
シルバーシシトウとブロンズオニオンは どうするんだ?」
チュニスの実家の大農園から 大量に作物が届くのは 毎度のことなので トリオン隊長も慣れている。 
「そうですね~、シルバーシシトウも ブロンズオニオンも 普段に使える野菜ですからね~」
チュニスは 指を顎にかけて 少し考える。
「まずは~ 今日のお昼や夕食に~ ようけ 使ってもらいましょう~。
あと、ゴールドピーマンも 使ってくれると 嬉しいな~」
「任せろ!」と 言いながら ショウアンは グッと親指を立てる。
「ショウアン、ノエルに いいトコ 見せたいって 顔に書いてアルネ!」ミカは 呆れ気味に言う。
「いっそのこと ノエルさんにも 手伝ってもらったら?」ショウアンを肘で小突くメイリン。
「愛の共同作業ですか?やりますねぇ…さすが ショウアン」煽るアンシー。
「お、お前ら!…もし、よかったら 手伝ってくれないか?ノエル」
「いいわよ!教えて、ショウアン!色々 作ってみたいわ!」
ショウアンとノエルは 二人して 奥の台所へ行った。
「シルバーシシトウも ブロンズオニオンも どちらとも 常備菜のレパートリーが たくさん ありますぅ~。
お弁当や夕飯のおかずにも 使えますねぇ~」マリアが 嬉しそうに補足する。
「普段使いに残す分と~ 常備菜の作り置き分と~ あとは~ 冷蔵室に保存、かな~?」
チュニスの頭の中で 計画が 固まった。
「みんな、朝食は すでに 終わってるな?食器を片付けて テーブルを綺麗にしろ。
テーブルが空いたら すぐに ゴールドピーマンドリンク製作に 取りかかるぞッ!」
トリオン隊長は 自分の食器を片付けながら みんなに 指示を出し 促した。

「じゃ、そろそろ お暇させてもらおうかな?」
ロキは 瞬間移動して 自分の屋敷に帰ろうとした。
このまま ここに居たら ゴールドピーマンドリンク作りを手伝うことになるのは 目に見えている。
 「あら?ロキさん 帰っちゃうんですかぁ?」
マリアは そう言いながら テーブルを拭いている。
「ロキ、ズルい…」「うぐっ!?」
ミカルが ボソッと言った一言が 矢となって ロキのハートに グサリと 突き刺さる。
「アハハ!これじゃあ 帰れないねぇ~ ロキ♡ 今 帰ったら エリート魔族の名が すたるよね♡」
セトは 嬉しそうに笑いながら まくし立てる。
「キャハハッ!セトも居るじゃん!超ウケル~!」
「まぁ、ピンキーさん!お久しぶりですぅ~!夜 台所で お会いして以来ですねぇ~!」
マリアは 嬉しそうに手を合わせ マカマカイの小悪魔ロリータ「ピンキー・ポワゾン」を出迎えた。
「出たな!?『マカマカイの歩く回覧板』め!」「色事師のストーカー魔族に 言われたくないし~!」
ピンキーは ロキの悪口を 彼女お得意の毒舌で返してみせた。

「あっ!やってるやってる~!」
「あれ~?しばらく見ないうちにメンドーサ隊のイケメン枠が 増えてんじゃ~ん!」
「ミー・リドル」と「ハー・レム」…フツツカ魔法学院の魔法騎士クラスの『ミーハーコンビ』で
チュニスの実家から大量に届く作物たちの加工作業を いつも 手伝ってくれている。
「よぉ!マリア先生!これから ゴールドピーマンドリンクを作るんだろ? 手伝いにきたぜ!」
マリアが担当している冒険者クラスの生徒「ソイル・クロカゼ」が 数人の生徒を引き連れてやってきた。
「コグレ・アカギリ」「ナガレ・シラクモ」「ウメ・アオアメ」は ソイル・クロカゼと同室のチームメイトだ。
「マリア先生、この間は「ナナイロピーマン」の七色の枝を ありがとう…」
冒険者クラスの女子生徒「レキ・レキシントン」は ちょっと照れくさそうに スケッチブックを抱えていた。

「ここが メンドーサ隊?妹のピンキーから聞いて来たけど なかなか面白そうな所じゃん!ね?メメン」
全体的に赤系ピンクな小悪魔「モリー・ポワゾン」が、
全体的に青系ミントグリーンな小悪魔「メメン・ポワゾン」に話題を振った。
「今から ゴールドピーマンドリンク作り すんの?う~わ、マジダリィ~」
「もう!モリーお姉ちゃん!メメンお姉ちゃん!ちゃんと お手伝いしないと ダメだよ?
昔っからゴールドピーマンが苦手なロキちゃんだって 頑張ってるのに~」
ポワゾン4姉妹の末っ娘4女 ゴスロリ小悪魔の「リエッタ・ポワゾン」は ロキの弱点を 地味にバラしていた。 
「リエッタの奴 余計なことを…!」
「ちっちゃい頃 ゴールドピーマンを残しては ヘカーテお母様に 叱られてたよね~、ロキ♡」
セトは ドリンク製作で 手を動かしながら 双子の弟のロキに しれっと追い打ちをかける。
「ロキくん、まだ ゴールドピーマンが 食べられないんだ…あんなに美味しいのに」
ロキの奥さんであるハイエルフ「ユミコ・ムラサメ」の味覚は ちょっと特殊なようだ。
「今日の夕食は ロキくんのゴールドピーマン嫌いを克服する特別メニューにしようかな?」
ユミコの話を聞いて ロキは「イザナミキックで飛び蹴りされた方が まだマシだな…」と思った。
「ロキ様に 嫌いな物を 無理矢理 食べさせようなんて…ムラサメさんって とんだ悪妻だわね!」
ロキの愛人でサキュバスの「マリー・オハラ」は、ユミコの隣で 悪態をつきつつ ドリンク加工作業をしている。
ピンキーが呼んだマカマカイのお友達は 他にも大勢いる。

「これなら 今日中に ドリンク作りが 終わりそうですぅ~」と、マリア。
「マリア あのね…」
ミカルが マリアにそっと耳打ちをする。

ー朝食会議 おわり。次回へ続く…。ー




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