Nicotto Town



朝食会議【2】双子の兄弟とホテルマンの幽霊

メンドーサ隊の朝のミーティングの最中に ロキが現れた!

「まぁ、ロキさん!おはようございますぅ~!朝から どうしたんですかぁ?コーヒー 飲みますぅ?」
マリアがロキを歓迎するようなことを言うので 数人がズッコケた!
「マリア!お前、この間の夜 台所で アイツに何されたか 忘れたのか!?」
いの一番にツッコむシンジロー。
「そうだぞ!相も変わらず ウスラボケ~ッとしやがって!」と、トリオン隊長。
「嬉しいね。今から私の屋敷で一緒にモーニングとしゃれこもうか」
ロキはミカルを片腕で抱きかかえたまま、マリアの近くに瞬間移動し、
マリアを もう片方の腕に抱いて 屋敷へ瞬間移動しようとした その時…!
「っ!」
セトが 突然 現れて ロキの頭をチョップした。
「ロキ、モーニング二つまとめてお持ち帰りとは 欲張りすぎじゃないのか?」
「痛いぞ、セト!いきなり チョップするの やめろよ!」
ロキと同じ顔、同じ声の「セト」を見て マリアとミカルは キョトンとしている。
「ユミコの鬼嫁キックより マシだろ? これは いわば 愛の「セトチョップ」だ。
キミが「マリア・アレックス」。そちらのキミは「ミカル・ヒダカ」だね。
弟のロキが いつも すまないねぇ~。私は『セト・ミザール・アルコル』。ロキの双子の兄だよ」
セトは 紳士的なポーズを取りながら 挨拶した。
「ガオ~!俺たちと同じ 双子の兄弟で 声までそっくりだぞ~!」と、バトラー。
「奇跡の出会いだニャ~!俺たちは よくよく 双子の兄弟と縁があるニャ~!」と、ラシード。
虎人族のバトラーとラシードは 感激のあまり ロキとセトに自己紹介しながら 握手をしていた。
一人四役。しかも、二組の双子の兄弟。演じ分けるの大変だろうな、水島裕さん。
と まぁ 作者の声優夢想は 置いといて…話を 先に進めよう。

「俺たちのチームメイトだった「カノン・シードル」と「ソナタ・シードル」も 双子の兄弟だニャ。
今は 二人とも ウェルカム王国騎士団の団長なんだよニャ~」
ラシードが カノンとソナタのことを 話し始めた。
「カノンとソナタといえば ビリオン お前、あの二人の誘いを断ってたよな?」と、トリオン隊長。
「うん。ボクが 聖騎士(パラディン)クラスを卒業する時に カノン先輩とソナタ先輩から
『ウェルカム王国騎士団に来ないか?』って 言われたけど、
ボクは元々 トリオン兄貴の力になりたくて ウェルカム王国に来て フツツカ魔法学院で学んだんだ。
最初は 戦士クラスだったけど クラスメイトの護衛で 危険な所ばかり行ってたから
怪我はするし 武器は壊れるしで 気がついたら 盾がついて 騎士クラスになっちゃったの。
騎士になったら ますます護衛として頼りにされて 今度は 聖騎士クラスになってたの」
「ビリオン、二回もクラスチェンジしたのか?すごいニャ~!」と、ラシード。
「ガオガオ~!さすが『ド根性聖騎士』だな」と、バトラー。

「カノン先輩もソナタ先輩も 聖騎士クラスを主席で卒業して、
すぐに ウェルカム王国騎士団団長に任命されたんだよね」
「カノンとソナタは 入学当初からみんなの注目の的だったニャ。
同じ双子の兄弟なのに どうしてこうも違うのかニャ?って 最初は思ったけど…」
「ガオガオ~、カノンもソナタも 良い奴だったぞ。虎人族の俺たちにも 分け隔てなく接してくれたぞ」
「ラシード、バトラー。お主らは モンククラスを卒業した後、一旦 シーナガルドに里帰りしたんじゃったな」
ゲンサイは 卒業当初のことを思い出しながら トライド兄弟の話に入ってきた。
「学院に行く前は よちよち歩きだったピノちゃんが 大きくなっててニャ
『ピノ おおきくなったら ラシードとバトラーのおよめさんになる~!』とか言って、カワイイのニャ~♡」
「ガ、ガオ~…ブラン、どうしたんだ?そんな怖い顔して…」
「僕の妹に 手を出したら 承知しないからな…!」
「ブランに年の離れた幼い妹がいるなんて知らなかったなぁ…」と、ロキ。
「僕も ついこの間 シーナガルドに行った時に 知ったばかりだよ」
「って、何で何事もなかったように しれっと話に入ってきてんのよ ロキ!?」
ツッコミを入れるノエルの横で マリアがロキとセトの前にコーヒーを置いた。
「お砂糖とミルクは どうしますかぁ?」
「私は ミルクも砂糖もたっぷり入れて。ロキは 砂糖ひとつ、ミルクは無しで」
「はい、どうぞ。セトさん、ロキさん」
「マリア…ここはいつから『純喫茶 ハトの巣』になったの?」
「ノエルさんは ミルクも砂糖も無しでしたね」
「豆はブルマンで…って、コラ!また 話がそれてるじゃないの!」
「ねぇ、マリア~。ココアは ないの?あ、飲み物の方のココアね」
ココアは ココアが飲みたいようだ。
「ありますよぉ~。ホットですかぁ?アイスですかぁ?」
「ホットで」「は~い、すぐにお作りしますぅ~」
『マリアちゃん、僕にもホットココアを…』
「は~い!…って、タウラスさん!?」
「タウラス・マタドール!? お前、心残りが無くなったからって 成仏したんじゃなかったのか?」
強面マッチョなホテルマンの幽霊「タウラス・マタドール」が 急に姿を現したので トリオン隊長は 驚いた。

「スイ~!タウラスだ~!」「タウラス、久しぶりだギュー♪元気だったかギュー?」
「スイちゃん!ギューちゃん!」
玄田哲章のような野太い声をしたタウラスは 水牛のスイとギューの頭を撫でながら 無邪気に戯れていた。
「あなたが タウラス・マタドールさんですね?
話は マリアさんやトリオン隊長、スイちゃんとギューちゃんから聞いているであります。
申し遅れました。私は メンドーサ隊所属 経理・会計担当のクレア・ボヤージュであります!」
クレアは タウラスに向かって敬礼をした。
「グランドホテルの維持や管理は あなたが なさっていたのですね。
ホテルが廃業してから100年くらい経過しているのに
壁、床、部屋、設備、調度品、家具などが ほとんど痛まず 綺麗なまま 残っていたから…」
「僕、幽霊になってから 時間を持て余しちゃって 誰も来ないし 暇だったから…。
それでも まだ暇を持て余してたから ほら レース編みや毛糸の小物とか いっぱい編んだよ。
サイズが合うかどうか分からないけど 使って。みんなに あげる」
レース編みの鍋敷き・ブローチ・テーブルクロス、毛糸の帽子・手袋・マフラーなど
タウラスの両腕では 抱えきれないほど 大量に 山ほどあった。
「へぇ、タウラスって そんな昔から グランドホテルの幽霊だったんだ…」
「その強面な見た目に反して 乙女チックな趣味してるんだな タウラスって…」
ブランとロキの声を聴いた途端、タウラスは ビクッと 身をこわばらせた!
「ひっ!? こ、怖い~! 
前世で僕は 君たち二人の声にそっくりな人達に 手ひどくやられたような気がする~」
「僕と ブラン・ヨークと声が似てる人、手を挙げて~」
ゲンサイ、バンブル、ショウアンの手が挙がる。
「私と声がそっくりなのは…セト、ラシード、バトラーか。ちょうど4人ずつ居るな」
「キャーッ!! 笛の音も 氷漬けになるのも 闇討ちされるのも イヤーッ!! 勘弁して~!!」
と、言いながら 幽霊のタウラスは 姿を消した。
「あれ?タウラスさんは?」
マリアが ホットココアを二つ 持ってきていた。

ーつづくー




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