Nicotto Town


モリバランノスケ


御願い

今朝は、ここ数日の、雨模様の天候に、空も飽き飽きしたのか、抜けるような青空。庭や森の植物達も、さも気持が良さそうに、天を仰いでいる。私達夫婦は、チャムとお蝶を交えて朝食の最中。寛ぎの楽しい時間を、過ごしている。

お蝶は、昨日の話で、心に封印した☆光様☆の死は在るけれども、どこか喉のつかえがとれたようで、顔色もよく、明るく元気な様子。更に、驚いたことには、もう1つ、お願いしたいことが有る、と、切り出した。私は、(どうぞ)と言いながら彼女を見る。妻とチャムも、同様、優しい愛で包み込むような、眼差しを向けた。

お蝶 (私は、この初夏に、青年クスノキさんの葉陰に、卵を出産します。生まれてくる子供達は☆光様☆と私の、愛の結晶です。その直後、私には死が。ヤンチャな子供達です。どうか、温かく見守って下さい。お願いしたいのです)

チャム (当り前ですよ!。ピョン太、ウサコ、カメオの気持も同じですし、この森のみんなが、赤子をダイジに、だいじに、大事にして育てますから、安心して下さい。もしも、彼等に冷たい仕草を見せる者が在るなら、この俺が、絶対に許しません)

と、言いながら、丸い目をクルクルさせて、爪をのぞかせた右手を、高く掲げた。

お蝶は、一瞬、微笑みを見せたが、直ぐに真顔になり、我々へ感謝の言葉を述べる。

(有難うございます。これで、安心して、☆光☆様の元に、旅立てます。本当に、ありがとう)

そして、深々と、頭を下げた。




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