Nicotto Town


モリバランノスケ


決意

雨模様。上空に寒気が居座り、関東地方の山沿いは大雪。東京でも舞っているらしい。我が家は、breakfastの最中。通常なら、私共夫婦と愛猫チャムの三人だが、今朝は、昨夜から我が家に泊まっているピョン太とお蝶も一緒に愉しむ。

昨日は、傷つき憔悴しきった、チヨウのお蝶を看病する事と、互いの話に時間を取られた。リスのピョン太は、一旦ねぐらに帰ると言い出したが、遅くなったので、ここに泊まってもらった。お蝶は、大好物の蜂蜜を、さも、美味しそうに舐めている。その仕草は、まだ、どことなく弱々しいけれども昨日より回復の兆しが!。

一言も喋らなかったお蝶も、一晩休養し、又、こうして朝食を取ることが出来たので、自分でも話が出来る状態になつてきた、と、感じているのだろう。私達の会話に聞き耳を立て、加わろうとしている様子がその瞳から見て取れた。

お蝶は、意を決したように、言葉を紡ぎ出す。

お蝶 (昨日は、本当に有難う。やっとの思い
    でここ迄、辿りつけたノ。途中、駄目
    だ、と思ったことは、何度も!。でも
    皆さんの所まで行ければと、必死で)
私  <本当に、良く頑張った。体に触るから
   喋るのは、そのぐらいに。後で、又、ユ  
   ックリと、話してもらうから>


お蝶は、分かったと頷く。
・・・・・・でも、彼女の表情からは、(私の命は、今日で、尽きるかも知れない。だから、お願いします。言っておきたい、ことがあるのです)、という苦渋の決意が読み取れた。




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