Nicotto Town


モリバランノスケ


心配事

今朝も、爽やかな空気の中を、クリと一緒に散歩をしている。私は、海岸線迄来ると、波頭を眺めながら、深呼吸をした。気持が良い!。彼は、波の動きを興味深そうに眺めていたが、そのうち、親しい友と戯れるように遊び始めた。

私は、<戻ろうか!‘>と、クリに声を掛ける。彼も、その気持ちの様で、(OK)と声が返る。ログハウスに近づき、庭に足を踏み入れると、
クリの友達が待っていた。昨日の蝶である。
蝶  (急なんだけど、今日、旅立つ事に)
クリ <そうなんだ。道中、気を付けて!>
蝶  (又、必ず、北国で会いましょう!)

私は、<それならば、一緒に朝食どうですか>と、蝶を誘い、ログハウスに入った。蝶には、蜂蜜の一皿。だが、彼女には大ご馳走である。
暫く会えなくなるからだろう。クリは、一時もムダにはデキないと、蝶との会話に熱が入る。

クリ <君は、個人情報だからと、北国までの
   ルートは、話してくれないよね>
蝶  (ご免なさい。それは、私達のルール。
   でも、一箇所だけ、教えてもいいわヨ。
   私もいい年だから、途中で本当に疲労
   困ぱいしてしまうの。去年なんか、羽
   ボロボロに、なってしまって、もう、死
   ぬかと。でも、そこで、助けられたの)
クリ <そんな親切な人達の居る場所。そこは
   何処?>

蝶は、一瞬の沈黙。意を決して話し始める。

蝶  (その場所は、千葉県の南房総。山林
   の中。ここと同じ、ログハウスに住む
   老夫婦。それと、同居している黒猫。
   庭のクスノキ。遊びに来るリスと兎。
   羽がボロボロになった私を、優しく
   看病してくれたの。健康を回復!!。
   お陰様で、北国へ旅立てたんです。)
   
クリは、心配だな、という表情・・・・・








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