Nicotto Town


モリバランノスケ


白鳥

今、午前中の仕事を終えたところだ。私の成業は、ITエンジニア。世の中の現象を、インフォメーションテクノロジーを駆使し、分析、解析、分解、そいて、再構築する。自分でも言うのも可笑しいが、その性能は高いと自負している。

現在は、首都圏から遠く離れた、この様な山奥でも、リモートで仕事が可能である。有り難い限りだ。さて、昼食にしようと、準備を始める。飲み物は、日本茶と紅茶を交互に。皿に盛るのはナッツ、クッキー、そして、アップルパイ等の甘菓子。朝と夕食を重くしているので、これだけあれば、充分であり、満足している。

テーブルに座り、昼食を取りながら、ログハウスの窓から、庭を見下ろした。どうやら、老木エゾマツの側に、白い者が二つ動いている。良く目を凝らして見ると、白鳥のようだ。このところ、良く、彼を訪問する夫婦のようである。

私は、昼食を終え、愛犬のクリを伴い外に飛び出す。老エゾマツに近いて行った。最初、<ウウゥ>と唸り声を上げ警戒していたクリだが、最近は、親しみ込めた態度で接するようになった。夫婦も我々を友達として見ているようだ。

私は、(今日も、来たんだね。元気でいた!)と、言ってみる。白鳥の夫からは、<エエ、お邪魔しています。お爺さんの話は楽しいしばかりでなく、とても為になります>と、返ってくる。彼等は、一度結ばれると、生涯、夫婦としての愛を育み、生涯を閉じる。
・・・・・地球上の生命の誉れであろう。




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.