Nicotto Town


かきくけこのブログ。


閉経をブラックジャックで考える。

閉経が怖くなった。怖いというか、未知への突進、みたいな気分になる。閉経の事を考えると。まぁ、一種の老化へのおそれ、の亜種みたいなもん。


私の閉経の恐怖を増大させてくれたのは、他でもなく手塚治虫大先生のブラックジャックという漫画だった。ブラックジャック先生は初恋の女性が男性という正しい入口から裏社会入門の王道をひたすすむかわいい架空の人物でした。
 
 ブラックジャック先生の恋と恵先生への想いの整理の仕方が、漫画で描かれるんですけど、この漫画を読んで「男と女には深い河がある」という事をすごく感じたんですね。というのも、ブラックジャック先生が、恵先生に「あなたはもう男だ」と言うところの定義に、恵先生の子宮が無くなるというところで、それを理由にあなたはもう男だ、というんですよね。これが私にとって、最大級の隕石直撃級の衝撃だったんですよね。女性が女性たる条件というのは、子宮の有無なのか…!?と。しかも、病気で子宮を失った女性なのに、ある日突然子宮を失って「はいじゃ、昨日は女性だったけど、もう明日から男性~」っていう感じで、そんでブラックジャック先生も「残念だけど」って恋をあきらめるという事になるのか。と。

 何かあったらすぐ夫(神)に相談してみるんですね。「男の人って、女が女たる条件を、子宮の有無で考えてるのか!?」と。「てことは、閉経したら女性はみんな男性ってことか!?」と。

 そうすると夫は言葉を濁し、「まぁ…そういうワケでもないんじゃないのぉ?」っていうんですよね。「手塚治虫的な考えでいくと、子宮がなかったら男性っていう事になるから、閉経後の女性、みんなオッサンっていう事になるのか」
って。そう考えると、閉経後に我々女性は女性って言ったら「お前おっさんやろ」って言われる、そういう存在だったんですかーーーっ!?と。そういうなんだかよくわからん世界が実は、閉経後という時間軸に用意されているのだろうか????という、そんな未知へのおそれが、私に発生しているんですよね…。どうなるんだろう?閉経後って?と。

と、夫に問い詰めたら、
「まぁ…男の人も女の人も、老人になったら、大体もう赤ちゃんみたいになってどっちもどっちな感じになるっていう、…そういう事を言いたかったんじゃないのか」っていうんですよねぇ

そう聞いて、ちょっと納得した。老人になったらどっちでもいいかな、という感じになる代表例が、金髪開運アイコンになった美輪明宏さんとか…。もう美輪さんがなんでも、どっちでもなんだかいいかな。っていう感じ。それが老人になるという事。という境地を、手塚治虫大先生は教えてくれてたのか…。とか。いろいろ考えてしまった。一つの作品で人間のいろんな真理を深く追求している凄い名作。閉経した後でも、女性は女性として普通に生きてるし、そういうおばあちゃんいっぱいいるので、まぁ普通に女性なんだとずっと考えている。でも、閉経した経験はまだ無いので、閉経した後の女性の待遇というものが、一体どうなるんだろう?というのは、女性だから怖いと思うのかもしれません。閉経した後、その人に何が待っているのか、何があるのか。なんだか、恵先生みたいに手に職があれば自由でいいんですが、ただの主婦にはあのブラックジャックの恵先生へのきっぱりしたあきらめの姿勢というのが、なんだか冷たく感じるような。男社会が、女性をどう考えているのか、女性が考えるよりはるか遠くてまったく違う価値観が、ブラックジャックという漫画が存在することで、そのぞっとする片鱗を教えていただいた気がしました。その天と地ほど離れている価値観というもののくっきりした乖離みたいなものが、物凄く明快に知的に描かれているような。そんな印象がある漫画なんですよねぇ。





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