Nicotto Town


モリバランノスケ


初詣

ここ何年か、初詣の習慣は無かった。元旦に、能登半島地震、日航機と海上保安庁機の衝突事故が発生。亡くなられた方々の冥福、被災された方々のいち日も早い復旧、を、祈る気持ちを捧げるため家を出る。

私の住む部落は、ここ何年間、離農する人達が続き、所謂、典型的な過疎地帯。神社まで雪道を、愛犬(アイヌいぬ)のクリを伴い、30分程歩く。何人かの参拝する人達により造られた足道が、雪を被ったカラマツ林の中を続く。

簡素な神社。昔は、さぞ賑わったと思われる。境内は樹齢50年以上の太いオンコ(内地ではイチイ)の木で囲まれている。曇天の雪空。微かに雪の精が舞い降りる。無風のため、吹雪にはならないだろう。

賽銭を入れ、手を合わせ、参拝をする。
先日の震災、亡くなられた方々
      被災された方々
今この瞬間、ウクライナの人達
      パレスチナの人達    

帰り道。道端の楢ノ木の根本に、可憐な花を見つける。雪の中から、チョコンと、顔を覗かせた、福寿草の花である。何故かそこだけ雪が薄く、割れ目から、白い花びらが見えた。私は、その健気さに<寒くない?>と、声を掛ける。




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