Nicotto Town



マイルスはどの順番で聴くべきか。


ジャンルを代表するミュージシャンの作品を時代順に聴くことで、
ジャンル・ミュージシャンの音楽性双方を耳で学ぶことができる。
この意見は正しいと思うし役立つとも思うんですが。

ジャズ界の帝王マイルスデイビス。何から聴きました?
既に幾つも耳にしてたはずだけど、最初に買ったアルバムは……『In Berlin』。
ちょっとアホ。数年経ち、新婦で買ったのが『Star People』。大外道です。

こういうワケワカラン順番で聴くと何の役にも立たない(一般的には)。
ショーター入りでフリーに片足突っ込みかけた『In Berlin』や、
電化マイルス完成(異論はあろうが)後の『Star People』より先に聴くものがある。

JAZZ初心者が楽しみつつ学ぶためマイルス聴くなら、ベストの順番は?
マイルス狂は山ほどいて書籍も多い。あてになる情報を求めるならそちらを。
現代に繋がるジャズ≒マイルスという観点で選んでみました。

【1】『Workin'』(1956)

ing四部作、マラソンセッションの1枚。全てイイのですけど、
『Relaxin'』は初心者には遊びの横溢したムードが少々邪魔、
『Cookin'』『Steamin'』はスタンダードが多いんで後のメインディッシュに。

【2】『Round about Midnight』(1956)

CBS移籍第一弾、まずタイトル曲でJAZZ気分に浸るのが必修課程だと思う。
こちらもスタンダード揃いで『Workin'』と同じメンツ、でもなんか違う。
そこが面白い。歳取って聴き直しても楽しめる、一家に一枚盤。

【3】『Milestones』(1958)

キャノンボールが参加。まず『Dr.Jackle』で戸惑うのがオススメ。
合ってんのか合ってないのか首を捻る性急なテンポに面くらい、
聴き続けるうちにアラ不思議、JAZZってこういうもんねと思い始める。

【4】『Walkin'』(1954)

真打に進む前に寄り道しとくのがよい。ハードバップマイルスの代表。
この名盤に出てくるフレーズやビートが後のマイルスにも木霊している。
しかも全編没入して聴いても、流して聴いても佳い。これも買わなきゃ損。

【5】『Kind of Blue』(1961)

来ました。この順番で聴いてくれば、当時の衝撃も分かるはずでは?
知的な抑制、ハーモニーやメロディーの洗練……巷に溢れるこの盤の評価が、
ああなるほど、と腑に落ちるのではないか。モード云々はどうでもよい。

【6】『Four & More』(1964)

いきなりプラグドニッケルに進むのはやめましょう。
『Seven steps to Heaven』編成になった後だと、このあたりが佳いと思う。
ショーター入ると壮絶になりますから、それも後になってから。

【7】『Miles in the Sky』(1968)

ほーらビックリ。8ビートのフュージョンが始まっちゃった。
電化マイルスの洗礼を受けるなら、ここから入るのが吉では?
後世への影響もデカく、これまた歴史的な一枚なわけですし。

【8】『On the corner』(1972)

数多い大名盤を飛ばしてコレを先に聴くのがヨロシイと思います。
『Bitches Brew』『Fillmore』は気力体力充実してないとシンドイの。
この盤も【7】同様、現代最先端の音楽に直結するHipでカオスなマイルス。

【9】『TUTU』(1986)

日本での壮絶ライブやフェスティバルユニット化した後期も飛ばし、
酷評だらけだった晩年のこのアルバムにしてみよう。打ち込みのファンク。
でもマイルスが間違いなくそこにいるという謎アルバム、ジャケも素敵。

【10】『Porgy and Bess』(1958)

『Sketches of Spain』よりもこちらを。あえてこの順序、位置で聴いてほしい。
マイルスという『歌い手』の追求したものは晩年まで一貫している。
全て人の曲、ギルのフルバンがバック、でもこれもマイルスの音楽です。

……昔、知人に勧めた十枚とは大幅に内容を変えてます。
そいつはハイテク派ギター弾きだったのでマクラフリン入りが多め、
『Agharta』『Pangaea』も必聴だと貸した。JAZZ嫌いが一人増えた。

ですが上記の順番で聴くことで見えてくるマイルス像というのは、
偏見かもしれないが、多くの人の愛するマイルス像と遠くないと思う。
気に入ったならコレクター地獄が待ってます。いったい何枚あるんでしょう。

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2023/09/23 17:53
>アベイユさん

当方も幼時はクラシックから入っており(全音バイエルやソルフェージュ)、
相対音感、メロディー、調性や和声感覚に関しては、音楽鑑賞のベースとなっています。
そうした西洋古典音楽的感性を拡張・逸脱してくれるのがJAZZ/ROCK/前衛の楽しみなのです。

ある程度クラシックをたしなんだ方なら、1950~70年代前半までのジャズは全て楽します。
今回挙げた10枚は、ジャズの中でも人気の高いジャンルを代表する名盤でもあるので、
特に気に入った盤があった場合、同時期・同ジャンルの別のアーティストを試すのもオお勧めです。

【1】【2】【4】はハードバップというスタイルの代表。
【3】【5】【6】はその後に主流となるモードジャズの名盤。
【7】~【9】は電化ジャズ(フュージョン)の基礎から発展、拡張まで。

【10】のみ趣が異なります。このアルバムと、同時期の『Sketch of Spain』は、
ミュージカルやアランフェス協奏曲を題材に、全体のサウンドを重視したもので、
イージーリスニングや映画音楽とも被る、クラシック好きにも人気の高い作品です。

『Workin'』の華やかな始まりや雰囲気がお好きなら、二管・三管編成が宜しいでしょうが、
クリフォードブラウン、リーモーガン、ケニードーハム等のTp吹きも名盤を残しています。
またマイルスの1954年『Bag's Groove』はヴァイブラフォン入りで、こちらもオススメできます。
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2023/09/23 17:03
こんにちは
マイルス・デイビスはほとんど聴いてないので(ジャズは初心者)お勧めの『Workin'』から聴いてみています
1曲目で痺れました これはクラシック好きにも刺さる曲ですね
2曲目からは いかにもジャズって感じで 昔勤めていた楽器店の社長さんがこういうジャズがお好きだったなぁって懐かしく思い出します
当時は若かったのでジャズの良さが判らなくて「このレコードをかけて」って言われると「あ~ぁ」って感じだったのですが…

ジャズも歳を取ってからより理解が深まる 侘び寂びの世界なんだなぁって思います

ユースケさんのお勧め ゆっくり聴かせて頂きますね♪



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