Nicotto Town


どんぐりやボタンとか


旅についての考察


最近、このブログに「ヨーロッパの思い出」というシリーズを書いている。
それは、13〜4年くらい前にヨーロッパ周辺を5か月かけて一人旅した時の思い出を綴っている。

さっき、ずっと昔に読んだ村上春樹の「使いみちのない風景」をたまたま本棚から手に取って、トイレに座りながら久しぶりに読んだ。
本の初めに、彼は自身の旅行に関することについて書いている。
村上春樹はご存知の通り、日本以外にもアメリカやギリシャ(だったかな?)など、世界のいろんなところに住んでいた人だ。
確か、「ノルウェイの森」はギリシャで書かれたんじゃなかったかな?

彼は、旅行することをあまり好まないと言ってもいい。と文中で言っている。
長い旅行だと途中で疲れてしまって、早く家に帰りたくなるそうだ。
なるほど、気持ちはわからんでもない。
そして、彼にとって一番落ち着くのは、なじみの本やレコードに囲まれた自分の家。ということだ。

まあ、それはきっと多くの人がそうだろう。

そこで、ちょっとおれは5ヶ月間旅をしていた時のことを思い出してみた。
たぶん、正直、一度も家に帰りたい。と思わなかった気がする。
なんか、ずーっと新しい場所へ行くことにワクワクしていて、なんでもない田舎の町を歩くだけでも楽しかったと思う。
しかし、おれの場合はちょっと特殊だろう。
おれも自分が生まれ育った日本に住んでいないからだ。


ヨーロッパに旅に出た時、おれはすでにニューヨークに住んでいた。
ニューヨークには家族もいないし、誰か頼れる人もいない。
完全に一人で住んでいる。
正直、ニューヨークに移り住んだ初めの頃は、日本に置いてきた、おれがニューヨークに行くという理由で別れた彼女のことが恋しくて、日本が恋しくて、ニューヨークなんて大嫌いだった。
しかし、なんだかんだで苦労しながらもニューヨークに住むことに慣れていき、いつの間にか、自分の家がニューヨークにあることが当たり前になっていく。

ヨーロッパに旅に出た時、ニューヨークの自分の家に帰りたいと思わなかったのは、もしかしたら、ニューヨークが本当の意味での自分の家ではないからではないだろうか?

まあ、それはよくわからない。

かといって、日本に帰りたいとも思わなかったし。

村上春樹は本の中で、こんなふうに言ってる。
もし人間を放浪型と定着型、あるいは狩猟型と農耕型というべきか、のふたつのカテゴリーに分類することができるなら、僕はかなりの確率で後者の方に属することになると思う。

う〜ん、もしかしたらだけど、もしかしたら、おれは放浪型なのかも知れない。。とこの文章を読んでちょっと思った。

おれは子供の頃、大人っていうのは、一軒家を持ち、車を持ち、家庭を持つものだと思っていた。子供の頃のおれの大人っていうもののイメージね。
しかし、おれはそれがなんだかつまらなく思えていた。
一軒家を持つということが、なんだかその場所に固定されるような不自由さを感じていたのだ。
だから、おれが思ったアイデアは、土地だけを買う。そして、その土地にキャンピングカーを置いて、そこで暮らす。
そして、好きな時に好きな場所へキャンピングカーで旅をして生きる。というものだった。
このアイデアは今でも良いアイデアだと思ってるし、実際に実現したい気持ちもある。

つまり、おれは子供ながらにすでに定住するよりも放浪する方を自然と好んでいた。ということなのかも知れない。

しかしながら、もちろんおれだって、自分の部屋が好きだし、まるで隠れ家のように自分の部屋でポテトチップスとアイスクリームを食べながら、好きな映画でも観ていたい気持ちだってある。
部屋でダラダラするのは大好きだし、恋人がいたら、彼女と一緒に部屋でダラダラしたいと思う。

ただ、もしかすると、おれの根底にあるのは、放浪型なのかも知れないな〜。。

だから、5ヶ月もの長期にわたって旅を楽しめたのかも知れないし、そして、実は最後のチェコからニューヨークへ戻る時、正直、戻りたくなかった。。
このままずーっと旅をしていたいなぁ。。って思っていて、実際にニューヨークに戻って、あまりの猥雑さに「おれはこんなところに住んでいるのか。。」とうんざりしたことを覚えてる(笑)

スペインのマラガに滞在していた時、ユースホステルの食堂でパソコンをしていると、おばさんに声をかけられた。
40代くらいの元気なおばさんで、彼女はいくつかの屋台を引き連れてスペイン中を旅してると言う。
その町その町にある広場のようなスペースを借りては、そこにいろんな国の屋台を出して、それで旅をしながら生計を立てているらしい。
そんなふうに生きてる人に初めて出会って、おれは興味津々だった。
すると、おばさんは、「今、まだアジアの屋台が無いのよ。あなた、日本の屋台を出して、私たちと一緒に次の街、バレンシアに行かない?」と誘われた。
冗談じゃなくて、マジでそう誘ってくれたのだ。
おれは一瞬、結構本気で、「じゃあ、おにぎりか、お好み焼きだな。」とどこでも材料を仕入れられて、しかも原価の安いと思われる日本の食べ物を即座に考え、本当に彼女の屋台旅に着いて行きたくなった。
たぶん、おれのその時一瞬思ったアイデアは結構うまくいく気がする。
しかし、その時は既にモロッコに行く予定があったから、そのおばさんの申し出を断ったのだった。

でも、そんな生き方もいいよな〜、っていまだに思う。
スペイン中やヨーロッパ中を旅しながら生きていくなんて、すごく素敵だよなぁ。。
それで、素敵なパートナーもいれば最高だよな〜。。なんてことを空想する。

さて、みなさんは自分を放浪型、定住型、どちらだと思う?
また、その理由はなぜ?

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2023/08/04 07:40
haticoさん、

そうですね〜。
いつも日本の方が早く新年を迎えるので、なんだか不思議です。。

へえ〜、なるほどー!
そんなふうに何かを愛して、それに寄り添って生きて行くなんて、素敵なことですね!
きっと、たぶん、自分にも定着型の部分は必ずあると思うのですが、なぜかいつもどこかへ行きたい気持ちがあるんですよね。
前世とか関係してるのかな〜?

ブログ、読んでいただいて、ありがとうございます!
嬉しいです!
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2023/08/04 07:13
おはよう!(こんばんは!)
頭ではわかっていても、時差って不思議
こちらはもう金曜日だけど、そちらはまだ
昨日の木曜日なんですね

放浪型と定着型、狩猟型と農耕型
私は完全に定着型の農耕型だと思います
植物が好きで、変化や成長をずっと見ていたいから

樹木なんて自分の何倍、何十倍生きていくものを
この手で種を植えることができるなんて
なんだかすごい!と思ってしまします笑

なので、放浪型(であろう)ケニーさんの旅の話は
私が全く知らない世界の話で、楽しいです



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