Nicotto Town


どんぐりやボタンとか


アーティスト紹介 10


お〜、アーティスト紹介も今日で10人目になった!

じゃあ、第10回は、My heroの「William Kentridge」

南アフリカ、ヨハネスブルグ出身の現代アーティスト。
現在、68歳。

彼の代表的な作品はまず、ドローイングのストップモーションビデオが挙げられるだろう。

みなさんもご存知のように、ストップモーションビデオというのは、例えば、粘土の人形を作って、それを一コマづつ、ほんの少しづつ位置を変えたりしながら写真を撮り、その膨大な写真を繋げると、動きのあるアニメーションになる。というもの。
たぶん、こう説明すると、きっと芸術というより、アニメとかそうゆうエンターテイメントの方をイメージすると思う。
しかし、彼の作品は全くの別物。
百聞は一見にしかず。

https://www.youtube.com/watch?v=m1oK5LMJ3zY

彼は元々、若いときに演劇を学んでいたらしい。
だから、彼の作品には社会的なテーマやストーリーが盛り込まれている。
特に南アフリカのアパルトヘイトなどの社会問題をテーマにしていることが多いらしい。
そして、おれが度肝を抜かれた作品が、メトロポリタン美術館での彼の個展。
メットはかなり巨大な美術館で、その中にある一室を彼の一つの作品にした。
その空間の4つの大きな壁には彼の映像作品(ドローイング、役者のパフォーマンスが組み合わされたもの)が投射されており、室内にはその映像作品の音が流れているのだが、そのスピーカーが銀色のメガホンのようでとても奇妙。
そして、その部屋の真ん中には巨大な木で出来た機械がゴンゴンと動いているのだ。
その巨大な機械は機織り機のようでもあり、死刑執行台のようでもあり、まるで運命を動かしている無慈悲なシステムのようであった。
床には映像作品を座って鑑賞するための素気ない椅子が置かれているのだが、その椅子はバラバラの方向へ向けられており、床に固定されている。

初めにアーティストの名前も見ないでこの部屋に入ったのだが、すぐにWilliam Kentridgeだとわかった。

この作品の中心にある機械について、William Kentridgeはこのような説明をしていた。
「動く彫刻、「呼吸する機械」あるいは「象」である。1870年代、パリの街の地下に銅製の空気チューブを設置し、定期的に空気を送り込んで街の時計を調整する計画があったが、ケントリッジはチャールズ・ディケンズの小説『ハード・タイムズ』(1854年)の一節を思い出した。ディケンズは、工場の機械が「憂鬱な狂気の状態にある象の頭のように、単調に上下に動く」と描写している。これは、近代における科学と産業のしばしば痙攣的な発展の比喩であり、時間をコントロールしたいという虚しい衝動を思い起こさせる。」

いやはや、マジですごかった。。
あの空間におれは、しばらくの時間いて、他の展覧会スペースを見てからまたもう一度戻って、またずーっと椅子に座っていた。

今までたくさんの展覧会を見てきたけど、あれは1位だと思う。
同率1位がたくさんあるんだけど(笑)だって、芸術ってそれぞれが1位だからなぁ。。まあ、言ってることが矛盾してるけど、とにかくとても衝撃的な作品だったんだ。

https://www.youtube.com/watch?v=m0a3vTrPGgk&t=57s

彼はその他にもオペラまで手がけている。
もう、彼の芸術は留まることを知らず、そのスケールは小さな紙のドローイングから、オペラハウスの劇にまで及んでいる。

https://metopera.org/discover/video/?videoName=william-kentridge-on-wozzeck&videoId=6004213404001

一度、じっくりお話ししてみたいアーティストなんだ。
まだご存命だから、そのうちお会いできないだろうか。。

私のヒーローの一人です。






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