Nicotto Town



丼勘定【2】マリアは俺様の嫁なのだぁ~!

「ちょっと!ドン・ブリカン・ジョー!何勝手に入って来てるの!?ここは男子は立ち入り禁止よ!?」
怒るマクロ・ファージ隊長。
「トリオン隊長も入り口で待ってるのに!」
「トリオン?隊長なのに隊員は一人もいない「ぼっち軍人」がどうかしたのか?」
(トリオンさんも来てるんだ…)マリアは、なぜか嬉しくてドキドキした。
「そんなことより!マリア!迎えに来たのだ!」
「えっと、何か約束してましたっけ?」
「一緒に来るのだ!今から俺様と結婚するのだぁ~!」
白いタキシード姿の『ドン・ブリカン・ジョー』は、マリアを強引にお持ち帰りしてしまった!

マリアはあれよあれよと言う間にウェディングドレスに着替えさせられた。
「マリア、綺麗なのだ~!さすがは俺様の嫁なのだ~!」

「ドン・ブリカン・ジョー。マリア・アレックスを妻とし、生涯愛し続けることを誓いマ~スカ?」
「誓いますなのだ~!」
「マリア・アレックス。ドン・ブリカン・ジョーを夫とし、生涯愛し続けることを誓いマスカ~?」
「ちょっと待った~っ!!」トリオンがチャペルに上がり込んできた!
「ちょっと待ったコールなんて…アナタ、いつの時代の人デスカ~?古臭いデ~ス」神父がツッコむ。
「ほっとけ!」と言いながら、トリオンは花嫁姿のマリアをお姫様抱っこして、チャペルから走り去った。
チャペルの前で待たせていた馬に乗り、国境沿いの町「モルモス・セブン」へ向かう。
「このまま国境を越えてウェルカム王国へ行くぞ」
「ウェルカム王国…トリオンさんの故郷ですよね。里帰りですかぁ?」
「違う。無理やり結婚させられそうになったのに、ウスラボケ~っとしやがって…」
「挙式の最中に花嫁をさらうなんて、何だか「卒業」って映画みたいですねぇ~」
「…なぁ、マリア。あの時の返事を聞かせてくれないか?」
「あの時の…?ああ、トリオンさんの部隊「シニュフォード・メンドーサ隊」に入るかどうか、ですよね?」
「…で、どうなんだ?」トリオンは赤面しながら俯いた。
「はいっ!いいですよぉ~!」
そうこう話しているうちに「モルモス・セブン」に着いた。

マリアがウェディングドレスから、いつもの看護兵の服に着替えている間、トリオンは外で待っていた。
待っている間、マクロ・ファージ隊長と話をしていた。
「メンドーサ隊に入るってことは「白衣の戦乙女隊」からマリアを引き抜くことになるから、その…」
「マリアちゃん、OKしたでしょ?あの子、戦うのはあまり好きじゃないの。
私の部隊に入ったのだって「看護兵なら人の命を救うことができるから」って言ってたわ。
だから、マリアちゃんのこと、ヨロシクね!トリオン隊長!グッドラック♪」
マクロ・ファージ隊長は親指をグッと立てた。
「お待たせしましたぁ~」マリアは看護兵服に着替え終わった。

ーつづくー




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