Nicotto Town



丼勘定【1】白衣の戦乙女隊

ここは、フツツカ魔法学院の新聞部の部室。
「マリア・アレックス先生にお聞きしたいことがあります!」
新聞部部長の女子生徒「イルゼ・ルイーゼ」が話を切り出す。
「これって取材ですかぁ?」マリアはキョトンと首をかしげた。
「いいえ、私の個人的興味からです!」イルゼは、キッパリと言った。
「部長!ストレートすぎます!もう少しオブラートに包んだ方が…」
ジミナ・モブリットは思わずツッコミを入れる。
「ビブラート?」マリアがボケて話がそれかけた。
「私も興味あるなぁ…マリアさんがセルティック王国にいた時のこと」シッソナ姫が本題に戻した。
「セルティック王国…懐かしいですぅ~!私がまだ『白衣の戦乙女隊』に居た時に…」

セルティック王国は、ウェルカム王国の隣国。数多くの拠点や要塞を持つ軍事国家。
ナローケイ現象以前からセルティック王国は日夜、外敵の脅威に晒され、軍事力の強化が最優先だった。
ナローケイ現象の発生により世界の境界線が無くなったことで、異世界からの介入が容易になってしまった。
異世界からの敵に対処するべく、
兵力の増強および異世界に対抗する技術を学ばせるため、兵士をウェルカム王国に行かせた。
セルティック王国の国民には兵役が義務付けられ「王立フィブリン幼稚園」ですら軍人育成施設である。

マリア・アレックスは、女だけの武装看護兵部隊『白衣の戦乙女隊』に所属していた。
「と、言っても、私は一番下っ端の二等兵なんですけどねぇ~」
「マリアちゃん、ここにいたんだ」
白衣の戦乙女隊の隊長「マーガレット・クロフォード・ファージ」がマリア二等兵に声をかけた。
「マクロ・ファージ隊長!」敬礼するマリア二等兵。
「ウフフッ、そんなにかしこまらなくていいのよ?マリアちゃん。
ところで『ドン・ブリカン・ジョー』が「また、あなたに会いたい」って言って、ここに来てるんだけど、
どうする?私から断ろうか?」
「ドン・ブリカン・ジョーさんが?私に何の用でしょうかぁ?」
「フハハハハハ!俺様を呼んだか?マリア・アレックス!」
いつの間にか『ドン・ブリカン・ジョー』が、男子禁制の「白衣の戦乙女隊」の兵舎に入ってきていた!

ーつづくー




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