Nicotto Town



料理は愛情【2】ミツコの料理教室

ノエルは「鳥人族三人娘」のコルリ、マユ、ノバラに会いにフツツカ魔法学院を訪れた。

「あっ、ノエルさんだ!今日はどうしたの?」
ハーピー族のコルリは、ノエルを見つけるなり嬉しそうに駆け寄る。
「あのね、実は…」
「コルリ!何やってるの?」フレスベルグ族のマユがコルリを呼んでいる。
「コルリちゃん!早くしないとミツコ先生の料理教室に遅れちゃうよ!?」と、白鳥族のノバラ。
「えっ!?今、何て言った!?料理教室ですって!?」ノエルの瞳に炎が宿る。

ここは、フツツカ魔法学院の料理人クラスの教室「調理実習室」。
「みなさん、私の料理教室へようこそ。私は料理人クラス担当の「ミツコ・セブンブリッジ」と申します」
よろしくお願いしますとミツコ先生は深々とお辞儀をした。
「さて、今日みなさんに作ってもらうのは…お弁当です!」
(ナイスタイミング!)ノエルは心の中で「よっしゃー!」と叫んでいた。

「ひとくちに「お弁当」と言っても、ご飯にするかパンにするかで系統が違ってきます。
色や栄養バランスを考えておかずを決めて、食べる人の好みの物で選んでもいいですね。
余裕のある方は、デザートを一品加えてみて下さい。それでは、みなさん。始めて下さい」
ミツコ先生の一声で、みんな一斉にお弁当作りに取り掛かる。
「まずは、定番の卵焼き…」ノエルは卵を上手く割れず、調理場が大惨事に…!
ノエルと同じ班のコルリ、マユ、ノバラは、巻き添えを喰らいながらも、自分たちのお弁当を作っている。
見るに見かねて、ミツコ先生がノエルに付きっきりになっていた。
「ノエルさん!それでは火力が強すぎます!それに、油も敷かずに卵を焼いたら焦げ付きますよ?」
ノエルの手つきがいちいち危なっかしくて、ミツコ先生は大慌て。狼狽えつつも、ノエルに懇切丁寧に教える。
ミツコ先生の懸命な指導は実を結び、ノエルのお弁当は何とか形になった。
「で、できた…」見かけはそんなに良くないが、それでも会心の出来映えである。
「ミツコ先生、ありがとう~」ノエルは感極まって涙を流した。

「ブーラーン♪はい、お姉ちゃんの手作り弁当だよ~♪」
吟遊詩人クラスの教室から出てきたブランを待ち伏せてお弁当を渡すノエル。
「今日はちょっと自信あるんだ!後で感想聞かせてね!」と言ってノエルは去っていった。
「ノエル姉さん、そう言って、いつも弁当の中身がぐちゃぐちゃのカオスなんだよなぁ…」
心なしか顔色が悪いブランであった。

ーつづくー




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.