1781番:ハリエット嬢(26)
- カテゴリ:日記
- 2023/05/12 22:48:42
ハリエット嬢(26)
—————————【26】——————————————
Et, chantant à plein gosier, allant à grands
pas, regardant tantôt la fuite lente et arrondie
d' une mouette promenant sur le ciel bleu la
courbe blanche de ses ailes, tantôt, sur la
mer verte, la voile brune d'une barque de pêche,
j'avais passé un jour heureux d'insouciance et
de liberté.
——————————(訳)————————————————
そして大声で歌ったり、大股で歩き、空を散歩するカモ
メがその翼で青空に白い曲線を描く、ゆったりとしたエ
レガントな動きを眺めたり、あるいはまた、緑の海の上
の釣り船の褐色の帆を眺めたりして、私はのんきな、そ
して自由な1日を過ごしたりしたのです.
.—————————《語句》———————————————
plein:(形) いっぱいの
à plein voix / 大声で
gosier:[ゴジエ](m) ❶のど、咽頭
avoir le gosier sec / のどが乾く;
❷声帯、声
avoir un beau gosier / 美声の持ち主である
tantôt: tantôt ~ tantôt ~ / ある時は~またある時は~
fuite:(f) ①逃亡、逃走;❷速やかに遠ざかること
速やかに過ぎ去ること
<fuir (自) 速やかに走り去る、
速やかに流れ去る
lent(e):(形) 遅い、のろい
arrondi(e):(形) 丸くなった、丸い
<arrondir (他) 丸くする、ものを柔かにする
mouette:(f) (小形の)カモメ
mouette rieuse / ユリカモメ
promenant:promener (他) 散歩させる、)(指、目線などを)
移動させる
ここでは(移動させる)という意味を拡張して
→「描く」と訳してもいいと思います.
courbe:(m) 曲線
blanc, blanche:(形) 白い
aile:[エル](f) 翼、羽
de ses ailes:その翼で
promener sur le ciel bleu la courbe blanche de ses ailes
その翼で青空に白い曲線を描く
voile:(f) 帆
bateau à voiles / ヨット、帆船
brun(e):(形) 褐色の、焦げ茶色の
barque:(f) 小舟、ボート
pêche:(f) 魚釣り、漁
insouciance:(アンスシヤンス) 無頓着、のんき、
vivre dans l'insouciance / のんきに暮らす
(de を)気にかけないこと
l'insouciance du danger / 危険を気にかけないこと
liberté:(f) 自由
—————————≪ひとこと≫——————————————
fuite lente:辞書の通り訳すと、「ゆっくりと速やかに
過ぎ去ること」になりますが、このままだと日本語の
ほうが矛盾してしまいますので工夫が必要です.
——————————≪文構造≫——————————————
長文ですが骨格は最後の部分にあります.
j'avais passé un jour heureux d'insouciance et de liberté.
私はのんきな、そして自由な1日を過ごしたりしたのです.
このタネとなる文に分詞句やら、分詞構文がトッピン
グされたのがテキストの文です」
トッピング部分は 「大声で歌いながら…大股で歩きながら…
あるいは~を眺めながら、また~を眺めながら…」
ですが、カモメの部分がちょっと長いので見ておきましょう.
la fuite lente et arrondie d'une mouette promenant sur le ciel bleu
la courbe blanche de ses ailes,
これでもまだ長いので後半部だけ先に見ます.
une mouette promenant sur le ciel bleu la courbe blanche
de ses ailes
その翼で白い曲線を青空に描くカモメ
前半部は
la fuite lente et arrondie d'une mouette
カモメのゆったりとしたエレガントな流れ動き
合わせて
「その翼で白い曲線を青空に描くカモメのゆったりと
したエレガントな流れ動き」
そしてこれがregardant の目的語句になります.
「その翼で白い曲線を青空に描くカモメのゆったりと
したエレガントな流れ動き」を「眺めながら」
眺めながら、どうしたか? 主文に繋げます.
眺めながら、私はのんきな、そして自由な1日を
過ごしたりしたのです.と言っています.
tantôt ~ , tantôt ~ とタントが「たんと」出てきます.
あるときは~で、またあるときは
tantôt, sur la mer verte, la voile brune d'une barque de pêche
緑の海の上に浮かぶ釣り船の褐色の帆を眺めたり…
ということで、1つ目のtantôt はカモメの句、2つ目の
tantôtは帆の句の「あるときは」です.
あるときはその翼で白い曲線を青空に描くカモメのゆったりと
したエレガントな流れ動きを眺め、またあるときは緑の海の上
に浮かぶ釣り船の褐色の帆を眺めたりして
そうして、のんきな、そして自由な1日を過ごしたりしたのです.
「誰が?」j'avais passé ~ 「私が」