Nicotto Town


ガラクタ煎兵衛かく語りき


アーサー・ラッカムがもっと可愛く書いてくれたら




例えば40年前に廃校になり 今も奇跡的に校舎が残っていた感じ
(自治体も解体する予算が無く 放置していたのかもしれない)

かっては図書室と思われる 広めの部屋にふと辿り着いた
チンダル現象で 脚を踏み込む度に埃が陽光に舞う
部屋の一角に捨て置かれていた かっての蔵書たちに目がいった
こんなもの持って行ったって文句を云う人は誰もいないだろう
題名で適当に選び 合計5冊くらいか 埃を払い 持ってきたレジ袋に放り込んだ

かって図書委員が座っていたと推測される机が窓際に見えた
放課後のゆったりとした時間の流れに身を置いて懐かしい気分で声をかけた
「道明寺さん! この本貰っていくよ!」

彼女が陽光の中で現れ始めた
当時の厳格だった彼女は最初はビックリしたようだったが
年月を経た級友の姿を認めてくれたのか
特徴的な微笑みで頷きながら再び緩やかに埃の中に消えていった


どんなに粗末な本でも その中に書かれている内容には
最大限の敬意をはらわなければならない
本好きとは そんな因果な存在である










ここで急に現実に戻る
昨日 amazonから大枚8000円払って購入した本が5冊届いた
上記のような粗末な本が 大層豪華な紙箱に申し訳なさそうに鎮座して
堂々と我が家に着いた


もう買わない
いや 本には罪は無い
装丁が良ければ良いってもんじゃないし
内容が良ければ許されもする
でもそうじゃない

やっぱり外資である
昨日(?)ハシェットと書いたがアシェットの間違いでございました

これだけ紙資源を無駄遣いし外箱(本の2倍の大きさ)にお金を掛け
肝心の本は あなた 冒頭の過去の図書室の隅に放棄されていた
埃まみれの本のようでした


ちょっとここで怒りますね
本好きは本に対する愛情が大好物なんです
版権料を支払う必要のない異国の過去の名作を
こんな形で商売にするなんて もう怒りしかありません


口惜しや
十数年前に発刊された「幻影城」シリーズを 多少無理して揃えた方が良かったのか
(いや あんときは経済的にそんな余裕がなかったよね)
今回私が支払ったいくばくかの通貨はアシェットや amazon などの
とおい とお~い異国の地に持っていかれました
埃だらけの数冊の本と引き換えに





「我楽多さん!」
レジ袋をぶら下げて歩いていた私に後方から声がかかった
「え?」
振り返ると道明寺さんが制服姿のまま手を振って立っていた

2度目の半世紀ぶりの邂逅


私は老いぼれた目で彼女を見やった
腰も1/3くらい曲がっている

彼女が訊いた「今何を読んでいますか?!」


様々な思考が飛び交った
そしてその中でひとつのことが確認できた
私は彼女の特徴的な微笑みが好きだったんだ


「光る風!」
私はくどい性格なので正確に答えようと
もつれる舌で「再読だからね!」
やっとの思いで答えることができた

チェシャ猫といったら彼女は怒るかしら
その特徴的な微笑みを浮かべながら
彼女は消えていった
両のおさげを跳ね上げながら





また新しいキャラを作ってしまった⤵⤵

アバター
2023/05/14 14:11
本、残念でしたね><
商売っ気だけっていうのは嫌ですよね。
アバター
2023/05/08 00:27
ウエルカムでございます
これにこりずまたお越しくださいませ
アバター
2023/05/07 23:46
アーサー・ラッカムにひかれてお邪魔しましたー




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