Nicotto Town



ナナイロ村に里帰り【2】マンサク村長

ナナイロ村に到着するやいなや、村長のマンサクがビリオンたちを出迎えてくれた。

「おお!ビリオン~!」ビリオンにハグするマンサク村長。
「お父さん、痛いよぉ~。ほら、ゴールドピーマンいっぱい持ってきたよ!」
「おおっ!偉いぞ!ビリオン!よくできた娘だぁ~!おい、この木箱を色工房まで運んでくれ!」
マンサク村長は手を叩いて運搬人を呼び、ビリオンが持ってきた二つの木箱を運ばせた。
「相変わらずビリオンを猫っ可愛がりしやがって…昔とちっとも変わってねーな、親父」
「ト、トリオン~~!!全然連絡もよこさんと!この親不孝ものめ!でも、父ちゃん嬉し~い!パギー!」
トリオンを抱きしめるマンサク村長の顔は、涙ですでにグシャグシャになっていた。
「で、そちらの可愛い看護兵のお嬢さんはどちら様かな?」切り替えが早い村長。
「マリア・アレックスですぅ~。トリオンさんにはいつもお世話になってますぅ~」
「おい、トリオン。村に帰ってきたんは嫁さんを紹介するためけ?」小声で耳打ちする村長。
「ち、違う!マリアはそんなんじゃ…」赤面するトリオン。耳まで真っ赤だ。
「いっちょまえに照れちゃって…このこのぉ~」村長はトリオンを肘で軽く小突いた。
「んだよ、親父!うるせーなぁ~」
父と息子のやりとりを見てマリアはキョトンとしている。
「あなた!トリオンもマリアさんも困ってるじゃない!」
「センリ!」センリはマンサク村長の妻。トリオン・ビリオン兄妹の母親だ。
「夕飯の支度、手伝って下さいな!…そういうことで、マリアさん。家まで案内するわね」

一方その頃、メンドーサ隊の事務所では、
事務所を埋め尽くさんばかりのゴールドピーマンと格闘していたリコシェ達の前に「ブラン・ヨーク」が現れた!
「キミたち、とっても大変そうだね。僕、フツツカ魔法学院に用があるからもう行くね」
「えっ!?」あっけにとられるリコシェ達。
「あら~、ブランさん~。もう行っちゃったの~?ゴールドピーマン茶、淹れたのに~」
チュニス一人だけ何かズレているが、いつものことである。
ゴールドピーマン茶と聞いて、すでに青ざめているリコシェたち。
そして、彼女が淹れた「ゴールドピーマン茶」は、
リコシェたちが飲むことになり、あまりの苦さに作業を中断せざるを得なかった。

フツツカ魔法学院はテスト休みでほとんど生徒はいなかった。
ブランはトルテ学院長の部屋をノックした。
「どうぞ。入りなさい、ブラン・ヨーク」
「お久しぶりです、トルテ・ウェイト学院長」

ーつづくー




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