一冊の雑誌
- カテゴリ:日記
- 2023/03/20 22:02:02
日本に来た外国人観光客に向けてのインタビュー
何故? どこが好きなの?
「だって 日本の文化にとても興味があるの」
文化?
「マンガとかアニメが大好きなの」
『あのねえ マンガとアニメは全くのベツモンなんだけど』
と 老人は一人呟く そして回想する 自らの若かりし頃を
大学の漫研の部室の棚に置かれた数色のポスターカラーの瓶
当初は修正用のホワイトが主流だった
同期達やその知己が次々とデビューし 東京に拠点を移し
色んな情報が入ってきた
修正用ホワイトって 要するに描線のはみ出しや汚れなど
墨やインクで描いた自らの作品に 白い色を重ね塗りして
印刷の際に消し去ってしまう 大層大事なツールでした
情報① 「なんか新しいメーカーのLUMA のホワイトが
いいみたい みんな言ってる」
え?
情報② 「新宿の紀伊国屋書店の画材部で売ってるみたい」
ALTA が出来る前の頃の話(だと思う)
そんなこんなしてるうちに 世間ではアニメの大爆発が起こった
その頃マンガを描いていた人たちは二つに分断された
片方は”アニメ” 素晴らしい 動いてる
片方は”アニメ” なにこれ 原作無視じゃん 線も太いし
前述した漫研の部室の棚に ANIMEX というメーカーの
セル専用のポスターカラーが並び始めた
(セルって御存知ですよね アニメのひと枠ひと枠の絵のことです)
その辺りで大学を離脱した
もちろんアニメにはお世話になった
小学生の頃
【少年ケニヤ】【鉄腕アトム】【トムとジェリー】【ポパイ】
【ジャングル大帝】【バビル2世】【鉄人28号】【エイトマン】
【狼少年ケン】【オバケのQ太郎】etc.
原作を絵(マンガ)で見ていなかったから楽しめたのかも知れない
アニメの大爆発により 大量の作品がテレビで放映されていった
その大半は 作者の完成品(マンガ)を見ているがゆえに
納得できないものばかりだった
半ば後遺症を患った
ここで言い訳をしよう
実はジブリ作品は一つしか観ていない
ナウシカは10回くらい観た(再放送多かったものねw)
あとは未見であります
ね? バカでしょ?
でも だから さっきから言ってるでしょ
後遺症なんだって
マンガとアニメを一緒にしないでください
外国の方 カモンカモン いらっしゃいませ
あなたが何を好きでも こちらは何も言う権利はありません
本当に日本を好きになってくれてありがとう
それしかないはずなんです (、、、ですが)
ああ やっと言いたいことを見つけられた じゃあ書くね
60年代後半から 俄かにその質が変わっていった少女漫画の隆盛期
以前とは違う そして最早現在には残っていない
繊細な描線
大量生産できない高度な作品性
コンプラを無視したストーリー
息遣いさえ躊躇われる
偶然なんでしょうね
たまたまその隆盛期を多感期の自分が感じられたのは
もう今じゃ無理です
(姉の誰か一人が2階の廊下に読み終えて積み置いた一冊を
弟が見つけてしまった!)
本当は今でも続いているのかもしれない
でも もう感じられない
御免なさい 年老いました
オクトパス
その別冊少女コミック 1972年?月発行が今の私の半分を象っています