くまくま絵日記【２】朝、マリアとトリオン
- カテゴリ：自作小説
- 2023/03/18 12:22:20
ここは「くまくまベーグル＆ドーナツ」。３匹のクマが経営するベーグル＆ドーナツ専門店だ。
「いらっしゃい。マリアちゃん、トリオン隊長。朝に二人だけで来るなんて珍しいね」
と、接客担当の黒い小グマのリリ。
「そうですかぁ？ねぇ、トリオンさん」
「俺に聞くな。マリア、とっとと注文しろ」
マリア看護兵にいきなり話を振られてドギマギしているトリオン隊長。
「はいっ。くまくまモーニングセットをひとつ。トリオンさんは？」
「俺もマリアと同じやつを…」
「くまくまモーニングセット、二つですね。飲み物はどうする？」
「私はくまくまブレンドの紅茶にしますぅ～」
「コーヒー。ブラックで」
「くまくまブレンドティーとコーヒーですね。オーダー！くまくまモーニング、二つ！」
「はーい！なの～！」元気よく返事をするドーナツ担当の藤色クマのぼぅ。
「かしこまりましたキュ～ン！」のんびり返事をするベーグル担当の白クマのニト。
「席に座ってお待ちください」
「お待たせしましたキュン。くまくまモーニング＆コーヒーの方」
トリオンが手を上げる。
「こっちはくまくまモーニング＆ブレンドティーだキュン。ごゆっくりどうぞだキュン」
「くまくまモーニングセット」とは、
日替わりでベーグルサンドとドーナツが一つずつ。あと、セットで飲み物が付いてくる。
今日のベーグルサンドは スモークサーモン＆クリームチーズ。今日のドーナツは ハニードーナツだ。
マリア看護兵とトリオン隊長は、くまくまモーニングセットを食べながら、作戦会議をしていた。
「まだチュニスの実家から大量にゴールドピーマンが届く時期じゃないだろ？」
「今年はゴールドピーマンの当たり年らしいので、いつもよりちょっと早いみたいですぅ～」
「まったく、毎年毎年マメなことだな…死ぬほど苦い思いをするこっちの身にもなれよ」
「まぁまぁ…味はともかくＭＰ（マジックポイント）が全回復する黄金のピーマンなんですから」
「結局、うち（シニュフォード・メンドーサ隊）じゃ食べきれないから、
『ゴールドピーマンドリンク』にして、フツツカ魔法学院の売店に回すんだけどな」
「ゴールドピーマンを潰して、ジュースにして、栄養ドリンクの瓶に詰めて、ラベルを張って…
家内工業のわりに実入りは少ないんですよねぇ～」
「タダ働きよりはマシだ」
『あっ！トリオン兄貴～！』
と、トリオン隊長を呼んだのは…!?
ーつづくー
