サイエンスじゃないフィクション②
- カテゴリ:日記
- 2023/01/26 03:54:45
風が吹いている
日ごとに強くなっているような気がする
もちろんたまには無風の日もあるけど
でも、私が幼かったときにはもっと穏やかだったはず
風が吹き続いている
日ごとに強くなっているような気がする
もう気のせいだとは誤魔化せない
いつも昼過ぎにはあそこの切り株で煙草をくゆらしていた
イリャードフは今日はいない
真っ赤に目を泣きはらした彼のお母さまにお逢いしたときは
私から言葉を濁しその場を離れた
駅員がみんな年寄りになっていた
ゲオルギーも幼馴染のイリヤもロジオンも駅舎にはいなかった
村から若い男性がいなくなっていった
風が吹いている
日ごとに強くなっているような気がする
来週モスクワに行く用事がある
そこで私は何をするんだろう
いったい何ができるんだろう
世界は何処へいくんだろう
イリヤ 待ってます
お願い 生きて帰って