Nicotto Town



仮想劇場『生きざま、さまざま』


 ネットでみかけた誰かのヒネくれた主張に「くだらないね」って君がつぶやいたら、「お前は生意気だ」って知らない人が速攻で返してきて、そこからもう引けなくなって君は当たり散らすように誰彼構わず噛みついて回っている。それからはただただ不毛な水掛け論。答えなんて一個も見つからない。

 僕はといえばそっぽを向いてそのやり取りを知らん顔で聞いていただけで、いまだに誰が間違っていて誰が悪者なのかわかってはいない。そもそもがして誰かが悪者でなければいけないなんて、僕にはまるっきり理解できない発想なんだよ。
 そんな僕に対して君はいつもイライラとするばかりで、楽しいことなんてここ10年ほど経験した記憶がない。きっかけは本当につまらない、まさに君の言う”くだらない”つぶやきだったんだしね。


 話はちょっと変わるが患った右手の親指の神経は今もまだちゃんと繋がってはくれない。生活が不便というほどではないのだが、自らが望んだ結果とは程遠い場所で僕は今も暮らしている。
 そんな僕にとって大切なことは常に自分自身であり、他人様の生きざまにまで口を挟めるような心の余裕なんてなかったし、あったとしてもその余裕は最優先で君のために使い切ってしまいたいと常々考えてきたんだよ。

 あ、なんかちょっとだけラブレターっぽいこと書いちゃったな、って思ってそこでなんとなく満足してる僕は、たぶんもうとっくに報われているんだろう。
 そういう中途半端な生きざまってのも悪くはないなって正直な部分では思ってたりする。 


 




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.