メサイヤの夜に
- カテゴリ:小説/詩
- 2022/11/21 02:10:42
目をつぶる
冷たい空気が肌に触れる
雨の音が静かに聴こえる
それは雪になるかもしれない
あの時のように
12月の夜
メサイヤが流れていた
あなたの冷たい指が
私の唇に触れた
寂しげな瞳
白い息が抜ける
それは
一人一人になる瞬間
振り返ることなく
去って行くあなたを
追いかけるように
雨が白い雪に変わる
唇に残る冷たい感触が
冬の景色の中に溶け込んでいく
わたしはただ立すくみ
人混みに消えていくあなたを見ていた
ああこんなにも静かに
雪が舞っている
それは
白くとても冷たく