Nicotto Town



南の魔女クレア148


ハタルは忌憚なくクレアの持っている魔力の強さを率直に自分が感じた事と「知恵の使途」のフクロウの意見を交えて話しました。

そして此れも隠さずドラゴンがクレアに其の力で王国を作る様に勧めたがあっさりと断った事も伝えて更にもしクレアが其の誘いに乗ったらと考えた事はなかったのかと彼に率直にクレアをどうするつもりなのかと言う事を聞きました。

イドエルは流石に其れ程までクレアの魔力が強いとは思っていなかったが「魔女の力」に関しては我々も全く無知であるわけではないと言いました。

何故ならイドエルを始め元シドリアル王国の領主達が一番其れを知っていたからです。

イドエルを始め元シドリアル王国の領主達は昔の「北の魔女」がかけた氷の魔法の為に鉱山だけでなく緑豊かな草原だった自分達の領土の多くが「北の魔女」が死んだ後も氷の魔法を止めなかった為に其の魔力が消えるまでじわじわと凍り付いて行って自分達の領土が凍り付けにされたのです。

仕方なしに元シドリアル王国の領主達はトウニ地方に逃げて来ざる得なかったのです。

トウニ地方で混乱したシドリアル王国の統治を貴族院形式に作り上げて治安を回復し国を落ち着かせて更にトウニ地方で商売をやって成功した領主も居たがほとんどは領主が領地を失えば収入源が無くなり次第に領土を捨てる時に持ってきた金品も使い果たし落ちぶれて行く貴族も居れば其の爵位を利用して商人の嫁や息子を貰って彼らに爵位を継がせる事と引き換えに何とか家を残すと言う方法を取った領主も居ます。

其の中で先祖から「北の魔女」の力も伝え聞いていました。

「北の魔女」がキリアマリ国の兵士に殺された時はまだ生きていて殺されなければ最後の力を振り絞って氷の魔法を止めただろう。

其の前に殺されてしまった事がシドリアル王国の今のシドリアル地方の氷に閉ざされると言う悲劇が起きてしまった事とそれ以前の「北の魔女」は「真実を映す氷」を持っていて自分に危害を加える為に近づいて来るものを察知して彼らをそれ以前に殺す事が出来たので暗殺を試みたキリアマリ国の工作員はことごとく不幸な事故で死んでしまったと言う事を聞いているとハタルに言いました。

ハタルも其れは自分が仕えていた「偉大なる魔女」も同じで水を入れた器を持っていて其れを覗くと自分に危害を加えようと近づいて来るものを察知して近づく前に殺してしまう事が出来たし其れでも近づいて殺そうとしたものは其の殺そうとした方法で自分を自分が殺して自死してしまう不思議な力を持っていたと言いました。

そして「知恵の使途」フクロウに言わせるとある物は水晶玉に其れを移して使ったり水晶玉を使って「呪い」をかけて殺す事も出来る。

其の過去の魔女が使った水晶玉は魔石を取って来ない魔力を持っただけの魔女も使う事が出来るのだがクレアは水晶玉も氷の板も水入れも持たないと言うか持とうとしない。

唯一使っているのは昔の魔女が使っていた「真実の鏡」だけで今まで何か自分で作った事は無いがクレアが新しい魔法を作る事を覚えたと此れまでの「花の魔法」を自分様に作り替えた事をハタルはマキバル氏に話しました。

イドエルは驚きもせず「『雌ザル』に知恵がついて来たのか。」と言うと声を上げて笑いました。

ハタルは其れを見てクレアの魔力が心配では無いのですか?と聞いて見ました。

イドエルは少し真顔になるとクレアを警戒してないと思うかい?警戒しているから時々マキバル氏を訪ねて様子を伺い、更に常にクレアを警邏隊員にクレアを見張る様に支持している。」と言い窓の外を見つめると一息置いてこう言いました。

「私も伝承で魔女の力を伝えきっている。だからこそモゾリアナ国では立派な館を与えて魔女を歓迎して歓待して機嫌を取っている。其れだけ力を持っているが殺す事も出来ない。だとしたら味方につけておくより他にないのが魔石を取って来た強力な魔女の扱い方だ。
だからクレアの思考をそれとなく探っている。交友関係には特に気を付けている。更に事前に手を打って危険そうな思想の持ち主はクレアから遠ざけている。
例えば今此の国は貴族院だけでなく一般の人も議会に参加させよと言う思想の一派が活動している。其の筆頭に商人たちが居て其の関係者にクレアの専門学校時代の同級生のモニークと言う女性もいる。
クレアがそれらの人達に近づき余計な思考をもつより「歌や踊りに興じて魔力」を使う事など取るに足らない事なのだ」とイドエルはいいました。

イドエルはクレアが今のあの高い堀の中の生活に満足し快適さを感じ今の自分の立場に疑問を持たず余計な関心事に首を突っ込まないと言う事が一番なのだよ。
だからこそ事前に彼女が引っかかりそうな釘や足をくじきそうな石ころはどける作業に力を注いている。
クレアが踊りに関心を持って其れに夢中になり魔力と言う力を其れに使う事は何か別の事に気を取られて魔力を武器に使う事よりも望ましい事ではないかとイドエルはハタルに言いました。


其の頃クレアはハタルが自分の見張りで無くトウニにイドエルを訪ねて行った事をしるとジルドの市場の隣の芝居小屋に通ってロマの踊り子のダンスを見に通いました。

魔法がリズムに合わせて色々と変化をさせて行って最後に豪華な花束を大きなリボンで結んだ形で終わるまでは出来たのですが踊りの部分がぎこちなかったのです。

何度も通っては「魔女の城」の庭に戻っては踊りの練習をしました。

熱心に見に来るクレアに踊り子の一人が声をかけてきました。クレアは収穫祭でみんなの前で歌って踊りたいと思っている事と其の踊りが納得言う様に行かない事を話しました。

踊り子が踊って見せろと言いうのでクレアは見よう見まねでやっているのを踊ると踊り子どころか周りの人達も大笑いでした。

「くねくねとたこじゃないんだから!」と怒鳴られてクレアはしゅんとしました。

踊り子はクレアの踊りを直すためにクレアの腕を取ると其の腕が以外に筋肉が付いているのに驚きました。

一体普段は其の筋肉質の腕を何に使っているのかい?と聞かれたクレアは思い当たるのは薪割だったので薪割をやっていると言いました。
食事の内容を聞かれて修道士よりマシとマキバルが言う食事の内容を言うとすっかり同情した踊り子はクレアに踊り方を教えてくれました。

お礼を言って其処を出るとクレアは急いで「魔女の城」の庭に行って教えて貰った踊りの練習をしました。
 

クレアが其の格好で仕事部屋に戻って来ると其れを待っていたマキバルに其の下着姿を見つかりこってりと叱られました。
そして誰が見て居なくてもドレスを来ていく事を約束させられました。

仕方なしにクレアはドレス着てダンスの練習を始めましたが動きにくいのでドロワーズ(スカートの下に付けるパンツの上に穿くカボチャ型の下着)をぬぎましたが其れでも動きにくいのでスカートの真ん中をハサミで切りました。トウニから帰って数日ぶりにクレアが「魔女の城」の庭でダンスの練習をしている姿を見た時は驚いてひっくり返りそうになりました。

クレアはしらっと「チャンとドレスは来ているわよ」と言ってハタルを睨みつけました。

ハタルは露わになった足を見た時は流石に注意をしようと思いましたがイドエル氏の言葉がよぎりマキバル氏に見つからない様にとだけ言いました。






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