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五飯田八宝菜の語学学習日記


1680番:仏教日記(7)

仏教日記(7)

 

これまでの日記で、菩提樹の下でブッダが覚った内容というのは、
三世貫通の因果律だった、と推測しました.ではそれからブッダ
が、その覚った内容を、伝道の旅に出るまで、どのように、まと
め、他者にも納得いくような形に仕上げていったか?

 

それは、さらに樹木の下で覚った内容を反芻し、絶対の幸福への
道への道案内になるようさとりの内容を増設することであった.

 

ブッダは、覚ってから、四週間(本によっては7週間)、なおも
樹木の下にいました.この間に「三世貫通の因果律」を実用的で
幸福へいざなう道筋を描いていたものと思われます.

 

書物の解説では「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」の「四諦」で

苦しみの実態を知って苦しみの原因となる煩悩を消滅させる道に
いざなう方法を模索し、それを8つ方法(八正道)に分類した、と
いうものです.

 

しかし、こんな漢文、人に説いてもチンプンカンブンのはずです.
「クタイ」「ジッタイ」「メッタイ」「ドータイ」...何、それ?
と言われて、おしまい.

 

ウルヴェーラーで、ブッダが覚ったのは
❶菩提樹下で:三世貫通の因果律
  これにより、青年期より抱き続けた疑問が解決した.たとえば、
  虫を小鳥がついばみ、それをまた大きな猛禽類が襲っていく光景
  を目の当たりにして、ふさぎ込んだことがありました.
  三世の法則で、これらの不幸は解決しました.ああ、あの虫は
  前世でタカだったとき、あの小鳥を捕獲して食べたんだ.あの
  猛禽類は前世で尺取り虫だったが、やはり、自分が食べたあの小鳥
  に食べられてしまったのだ、云々.

 

❷アジャパーラ樹下で:「四諦」のもっと簡単なものを展開していたの
  だと思います.
  「あれがあるときに、これがある…では苦しみはどういう条件下で
   消滅するか?」
  おそらく「苦」の根源が「生存」そのものにある、と悟ったのだと
  思います.それは普段の私たちは気づかないのですが、命は、日々
  消費して、なくなっていきます.車でドライブすればガソリンが
  だんだんとなくなっていくように.なぜ、気づかないか?それは
  あまりにも緩慢すぎる動きだからです.たとえば空の雲の形みたい
  なもので、楕円形だった雲が10分後には、3つの団子に変わって
  いたりします.

 

❸ムチャリンダ樹下で:そろそろ「人に説く」ことを前提に瞑想を
  続けていたのだと思います.「苦しみ」の原因は「生存」だと
  言っても人には「アホちゃうか」と一蹴されるだけ.もっと
  わかりやすく説かなくては、と悟りの内容を説教用に焼き直して
  いたのでしょう.「苦」の原因は「楽」にある.水戸黄門の歌
  みたいですが、人生、「楽」のあとには「苦」が巡ってまいります.
  「楽」の原因は「煩悩」にあります.「煩悩」を除去して「苦しみ」
  からバイバイしましょう(解脱しましょう).
  だいたい、こんなところを考えていたのではないでしょうか?

 

❹ラージャーヤタナ樹下で:第四週目です.ブッダは、自分の悟りの
  内容をまとめ上げます.すなわち、幸福であるにはどうするべきか?
  その答えは「怒らないこと」である、とまとめ上げたのではないで
  しょうか.これがのちの象頭山で説かれた有名な「燃えている」
  説法の原形だったのかも知れません.
  「怒り」はすべての財、すべての「幸福」を焼き尽くす.
  「怒り」の原因は「煩悩」である.「煩悩」という薪をくべるのを
  やめよ、そういうふうにまとめあげたのではないでしょうか?

 

  それがまとめあがった時点で、梵天勧請があったのでしょう.
  実際に空から神様が降りてきたわけではないかもしれません.
  心のうちに「伝道」の決心をしたのかもしれません.  




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