Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


キラキラ、黒耀石がふりそそぐ その3

仮想タウンでキラキラを集めました。

2022/08/17
キラキラ
集めた場所 個数
ゲーム広場 3
おしゃべり広場 10


四択 オセロ 

(長野旅行の続きです)

 この後、星糞峠の史跡公園を入る感じで、星くそ館(黒耀石鉱山展示室)へ。鉱山まで30分、星くそ館まで20分とパンフレットにある。ちょっとしたハイキング。木々に囲まれた山道をのぼる。そうそう、体験館で、熊よけの鈴を渡された。こうした経験はなかったので珍しかった。リインリインと鈴が鳴る。暑いけれど、木々のなかなので、だいぶ空気が心地よくなってきた。すこしひんやりと感じるぐらいだ。小学生や中学生の頃、近くの林に入ると涼しく感じられたことを思い出す。
 パンフレットはもらったけれど、道で拡げることがなかったから、鉱山までの道のりと、鉱山にはいってからのそれと、まったく意識していなかった。景観的には、それほど変わらない。けれども鉱山に入ってから、あちこちに黒耀石のかけらが落ちているのに気づいた。星のかけら、星糞。キラキラとうっすら透明度を持ったものもある。黒っぽいガラスのかけらのようなものも。縄文時代には、産地の限られた、良質な黒耀石を求めて、このあたりにはかなり遠くからも人が集まってきたとか。
 ミュージアムのHPに、黒耀石は狩り以外に切れ味の鋭い石器として使われていたが、アクセサリーとしては一般的でなく、時代が下って、ごくわずかに勾玉などが出てきたことについて、〈そもそも、切れ味の鋭い道具そのものが、美しい宝物として人気の秘訣だったかも〉とあって、妙に納得した。縄文土器が日常の道具であると同時に、非日常的な美しさをもつ、そのことと根を等しくするように思えた。
 星くそ館近くに熊に乗った旧石器か縄文人の石像があった。男性は熊の背に立って、左手に大きな石、灰色だがたぶん黒耀石を掲げている。熊の背や男性の足元の丸い皿状の台の上、掲げた石の上に、無数の黒耀石が置かれている。あちこちに落ちていたものだ。わたしたちもそっと乗せる。
 星くそ館に入る。ここは、鉱山の地下に堆積した地層、採掘面を発見された姿に戻して展示している。地中を掘り、積み重なった土砂が地層になったのだとか。この地層に30分おきにプロジェクションマッピングが投影され、縄文人が掘っている様子などで解説が行われている。わたしたちが入ったとき、ちょうど上映されていた。この施設自体、令和3年7月にオープンしたというから、まだ一年前。あれこれ、良い機会に恵まれた。
 また山道を戻り、熊よけの鈴を返しにミュージアムへ。ショップでお土産の黒耀石の剥片を求めた。110円~と格安だ。
 ショップ近くに『黒耀新聞』という記事的にしつらえた解説が壁にあった。「黒耀石の耀という文字」「星糞という言葉」と見出しにある。耀という字のほうについては、「黒耀の水」で触れたので、星糞について触れてみたい。
 「星糞峠」「星くそ館」という名前もそうだが、いつからかこのあたりの人々は、黒耀石のことを「ほしくそ」と呼ぶようになっていたという。新聞にはコラム的に、福島県からの情報として、江戸時代後期に書かれた「会津石譜」を紹介しており、そのなかで〈黒羊石の別言として星糞、(中略)巻貝の化石のことを月糞〉と呼んでいたとある。
 実はここに来る前から、この「星糞」という言葉は知っていた。聞いたとき、たしかに違和があった。空から落ちてきた星のかけらのようにきらきらしたものが、なぜ「星のくそ」なのかと。だが、そう感じるのは、いろいろなこと分断されてみえることから来るのだろう。「糞」は米が異なると書く。米と糞はまったく違ったものではない。米が異なる姿になったものなのだ。肥料として糞を使っているということも想起される。畑にあった肥だめ。新聞には、「人々は、「星糞」という素朴な名前で呼び親しんできました」とある。糞は、かつては、きたないものばかりではなかったのだろう。そう考えると、星のくそ、ということばは、なんとなく、ほほえましい、やさしい響きがある。
 時刻は3時半過ぎ、4時近かった。ほんとうはここからほど近い長和町立の原始・古代ロマン体験館にもぜひ寄りたかったのだが、そろそろ宿へゆかないといけない。残念だがあきらめる。縄文鉱山と人々の暮らしを紹介したもので、黒耀石のほか、縄文土器も間近で見ることができたらしいが。
 国道何号と先ほどから書いているが、それぞれ名前がある。黒耀の水があった142号線は中山道、ミュージアムのあるこの151号線が県道男女倉長門線、茅野と上田をむすぶ152号線が大門街道。あくまでこの辺りの名前で、国道たちは、何号線のまま、別の県、別の場所へ行くとまた名前が変わるのだけれども。その152号、大門街道を白樺湖のほうへ戻る感じで宿に向かう。

(この項つづきます。いつも読んでくださって、ありがとうございます。)




月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.