夏空や 青屋根の隣家 解体
- カテゴリ:日記
- 2022/08/06 21:06:23
実家のお隣の家が解体される
昔、隣家はおばあさん先生がお医者さんの病院だった。
小さな子どものころ、お庭に忍び込み丹頂鶴の置物のある池のほとりの
水仙を摘んで家に持って帰った。母に叱られて一緒に謝りに行くと
おばあさん先生は怒ることもなく子どものやったこと気にしませんといったという。
春には見事な山桜が咲き誇り、夏は山鳩の声がヒマラヤ杉の木に響き、
秋は涼しい風を運び、冬には年寄りの飼い猫が屋根や塀の上で日向ぼっこをしていた。
おばあさん先生もその息子もとっくに故人になって久しい。
白い門扉にに包まれた草ぼうぼうの隣家が解体される
空には夏の雲が浮かんでいる。