Nicotto Town



南の魔女クレア141


其れから二日後にマキバルからイドエルに手紙が届きました。
クレアが若い郵便局長の青年に興味を持ったらしく用事を作って会いに行っている事で村人から聞くに堪えない噂を立てられている。
自分が注意をしても利かないし自分ではクレアを説得する事ができないので何か良い助言を欲しいという内容でした。

イドエルは「子ザルがサルになって雌ザル」になったかと声に出して笑い出しました。

士官学校時代にピェールが自分の家に可愛い子ザルが居て家に帰るのが楽しみだと言っていて其れは小さな妹で階段を上り下りするのに段を使わずに手すりの桟を雲梯の様に使って上り下りするのだが其れが大人が階段を上り下りするのと同じ速さで其の上高い所に登るのが好きで母親を卒倒させているというのでした。
イドエルが暫くしてまだ其の子は階段を桟を使って上り下りするのかと聞いて見ると「あれはパニェの入った服を着せられると下が見えなくて階段の上り下りが怖いという事で何度か手を片方を手すりにもう片方の手を自分が持って上り下りを練習させると普通に階段を下りられる様になったが其のスピードが次第に速くなって今は誰よりも素早く階段をのぼりおりしてる。高い所は更に高い所に上る様になって子ザルがサルに進化したよ」とピェールが笑って話していたのを思い出したのでした。

クレアはまたシーズの息子を借りて本をアルガーに送るという用事を作って郵便局長が一人になる時間帯に郵便局に行きました。

前に行った時はイチゴが好評だったので今度は自分で包んだ本以外に更に沢山のイチゴを籠に入れて持って行きました。

依然と同じように彼はシーズの子供を自分の膝に乗せて二人で何か話しながらおいしそうにイチゴを食べ始めました。

クレアは少し歴史にも詳しく共用のある女に見せようとマキバルに聞いたアジタリ国に金目当てで結婚された事に怒った姫が逃げる途中にシドリアルの色々な領主に助けを求めたけど誰もたすけてくれなかった事何とか湖までたどり着いて船を自ら漕いだが舵のコントロールが利かずに舟がひっくり返って死んでしまった事が原因でクロエラルド国とシドリアル国が国交を断絶した話をしました。
すると郵便局長は「あの強盗姫の話なら君の話はクロエラルド側の言い分だ」と少し不快そうな顔で言いました。

彼が言うのは当時のアジタリ国はキリアマリ国に侵略されるのを恐れていてシドリアル軍とアジタリ軍は共闘して闘おうと協定を結んでいた。
だからシドリアル兵はアジタリ兵と闘う事は出来なかった。
更に其の姫はアジタリ国の宝物庫からアジタリ国の宝石を根こそぎ盗んで行った。
其の姫が舟の舵がうまく出来なかったのは宝物庫の中からアジタリ国の先祖伝来の宝石の入った宝箱を抱えていたから舵を上手く操れなったし更に盗んだ宝石を入れた其れ以外の箱の重さに最初から船は沈みかけていた。

アジタリ兵は其の姫が抱えて宝箱に間違いなくアジタリ国の紋章が付いているのが見えて其れが其の姫と一緒に湖に沈むのを見て悔しがった。
強欲な姫は最後まで其の宝箱を放さなかったそうだといいました。

クレアは一つの歴史が其々の国によって違って伝えられるのかと思いました。

其れからクレアが彼に士官学校で歴史を習ったのかと聞くと此れは色々な女の授業として士官学校の1年目に習うのだと言いました。
つまり士官学校に入りたての生徒たちは其れまで家庭教師に勉強を習ったりして世間を知らない生徒が多い。
だから生徒たちは世間知らずでイノセントの状態で騙されやすいので格好の餌食になるのでこんな女が居るのだという何人かの悪女の例として純情でけがれない姫だと思って結婚を申し込んだら宝物庫の宝を盗むのが目的でとんでもない金目当ての女だった。
だから見た目やそぶりに騙されるなと言う例として教えられたとの事でした。

クレアは士官学校はダンスだけでなくそんな授業もあるのかと驚きました。
でもアジタリ国は結局はキリアマリ国に侵略されてキリアマリ国に今はなってます。
クレアはシドリアル国はアジタリ国を協定があるのに助けなかったのかと聞きました。
彼が言うのはキリアマリ国は事前に用意周到に準備をしていて一日でアジタリ国を制圧してアジタリ国王にキリアマリ国になると言う書簡を書かしてシドリアル国に届けさせたのでシドリアル国は手が出せなかったと言いました。
其の侵略も彼らが通った所は人の姿を見つけ次第全員虐殺という残忍な物だったそうです。

そう言えばモゾリアナ国をキリアマリ国が襲撃する時もかなり前から準備をしていました。

クレアが偶然其の上を龍やドラゴンに乗って通って其の変化をモゾリアナ国に知らせたのでモゾリアナ国も迎え撃つ準備が出来たのでした。

其れが無かったらクレアが手を貸した位ではモゾリアナ国はキリアマリ国を追い返す事が出来なかったでしょう。


彼はクレアがクロエラルド側の視点で其の話をしたのが余程気に入らなかったのか其の後はクレアに対してそっけない態度を取って居る様な気がしました。
やがて警邏隊の人達が帰って来たのでクレアは郵便局を出ました。

シーズの子供には始終優しかったので再度警邏隊に本当はお前の子だろうとからかわれていましたが其れを笑ってやり過ごしていました。
大人の対応は出来るのに其の姫の話だけは毅然と強く言って来たのでクレアは「本当はそうだったんだ」と彼の意見に同調しましたが其れは其れまで煮なく語気が強かったので膝に乗っていたシーズの子もイチゴを食べる手が止まった位でした。

帰り道にクレアはシーズの子に郵便局員になるには貴方のお父さんが行った学校に入らないと成れないんだという事を話しました。

士官学校はまず貴族で無いと入れないという事ととても難しい試験があって沢山勉強をしないとはいれないのだという事を言いました。

更に剣や槍や弓矢等の厳しい訓練を受けるのだという事も言いました。
出稼ぎに出た人が家に郵便でお金を送る事が多く、更に郵便局は銀行の役割もしてました。
だから配達には常に剣を腰に付けています。
郵便配達員のカバンに入っているお金を目当てに襲われるのはしょっちゅうで彼らの剣の腕はかなり強いというか強くなければ採用されません。

更に重要な書類も郵便で遠くに送る事もあったので国の信用も無ければなりません。
其の為に国への忠誠心が問われます。
だからシドリアル国の事を悪く言われるのを嫌うのでクレアが他の国の味方をしたと誤解するような事を言ったのでおじちゃんを少し怒らせたのとクレアは言いましたが。
多分愛国心と言っても解らないだいだろうとクレアは思いながらも言いました。
そして貴方のお父さんは其の学校を成績優秀で卒業したと言いました。

何とか自分の父親が立派な人だと言う事は伝わった様なのかシーズの子供は嬉しそうでした。

マキバルは村人の下世話な噂話が更に酷い内容になって耳に入って来る言葉の卑猥さに卒倒しそうでした。

ハタルは村人と刃そう言う口の利き方をする物で大したことは無いと言うのですがマキバルにとってはとても看過できる様な内容ではありません。

そんなときにやっとイドエルからの返事がきました。
其の内容は幼い子供から無理やりおもちゃを取っても尚も意地になって固執するので他に興味を引くおもちゃを与えて気をそらして見てはどうかという提案が書かれていました。









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