Nicotto Town



南の魔女クレア133


クレアは記者会見の仕方も解らなかったのですがマージの助言もあって事前に会場に入れる新聞社と記者の数を指定して更に今日の夕方7時までに質問の内容を書いた紙を提出して其の中で答える問だけに答えると言う事にして余りにも低レベルで不快で人を傷つける様な内容の問いを書いて来た新聞社は問いに答えなければ会見場にも入れないとしました。

夕食をクレアと白猫のハタルの二人分を用意して貰って食べ終わる頃に質問を書いた紙が届きました。

クレアとマキバルとハタルとマージとで一枚一枚検討するとクレアがイドエルの名前を出したのを誰かが聞きつけたのかイドエルとの関係の質問が随分書かれていました。

其れ以外にもクレアは何で赤の他人にこんな事を聞かれなきゃならないんだと言う様な質問ばかりでクレアは総て却下すると言い出しました。

マキバルと白猫のハタルとマージは相談をしてマキバルが透明になって質問の紙を持ってイドエルの館を知っているホテルの従業員が記者達に見つからない様に従業員の出入り口から馬に乗ってイドエルの館に透明のマキバルを乗せて行ってイドエルに相談する事になりました。

突然の訪問もイドエルはマキバルが来ていると解ると快くマキバルとあってくれて質問を書いた紙を読んでだいたいの返答案を書いてくれました。

其れを持ってマキバルが帰って来てクレアは明日の午後はショッピングに行きたいと言うので午前10時から30分という事でマキバルがイドエルが書いてくれた回答案を暗記するようにと言うのを無視して明日のショッピングコースの計画を頭に描いて機嫌よく其の日は眠りました。

マージがホテル内に用意してくれた記者会見場に入ったクレアは人の多さに驚きました。

回答を許可したのは5社だけで5名の記者しかいないと思っていたの優に100名は居ます。

クレアの代一報はクレアの怒鳴り声から始まりました。

「約束が守れない人達とは話をする事はありません。5社以外の新聞社は直ぐに出て行きなさい!」

其れまでがやがやとざわついていた会場が一瞬で凍り付いたようにシーンとしました。

クレアの「魔気」が入った怒鳴り声は其の場に居た人達を震え上がらせました。

クレアは一社ずつ新聞社の名前を挙げて其の新聞社の記者は手を挙げる様に言いました。
何と其々の社が10名以上の記者を会場に入れていたのです。

クレアは仕方なしに不快な顔をして椅子に座って机にイドエルの書いた回答案を広げました。

クレアが明らかに機嫌が悪くなったのでマキバルは深くため息をつきました。

クレアの「魔気」を含んだ怒りに満ちた気魄に記者達の体は動かなくなりました。

クレアは静かに話し始めました。

「最初に自己紹介します。私が『南の魔女クレア』です。私の左に居るのが若く見えますが実際は150歳以上の修道院で修道院の館長の傍にいて人生経験を見て来たマキバルで幽霊になる前は150年前はクロエラルド国の中の一つの国の王子でした。
私の右に居るのは200年前に西の海を割った所にある一つの国を支配していた『偉大なる魔女』の執事をしていた白猫の使途で彼女の執事をしていたもので今はマキバルの執事をしています。」
其処で一時の間を開けてクレアはおもむろに質問を書いた紙を広げました。

其れから顔を上げてゆっくりと記者達の顔をぐるっと見渡すと「事前に申し上げた様に低レベルで下劣で馬鹿げた質問には答えません。例えば貴方は何歳ですかとか言う様な「魔女の本質」と一切関係が無い様な低レベル興味本位な質問はしてこない事。

私は貴方達との年齢に関係がある関係には今後一切ないと推測されます。それ位も判断できないような奴が新聞記事を書いている新聞社には今後関わる気もありません。

次に魔女の力とはどういう物かと言う質問に関しても此の国の歴史を知っているのなら「北の魔女」が力を使った場所が今も知る事がいくらでも出来るでしょう。更に此の国に中に広大な魔女の森があるにも関わらず今更「魔女の力」を聞くとは此の国の記者とは思えません。他国の工作員が記者に扮して紛れ込んでいるのか小学生以下で此の国の歴史の地理も解って無いとしか思えません。此れを書いた記者も此の記者を雇っている新聞社も信頼がおけません。すぐに此の会場から出て行って下さい。」

クレアはしばらく誰かが出て行くのかを待ちましたが誰も出て行こうとはしません。

するとクレアはにやりと不気味な笑いをすると「私は魔女ですので真実の鏡を持っています。此の鏡を使うと本当の事しか話せません。覚えておきなさい。其の木になれば私に嘘をつく事が出来ないと言う事を」と言うと
「今回だけは見逃してやりましょう」と言うと改めて質問の紙を読み上げました。

「今までに使った魔法で一番大きな魔法は何ですか?に付いて答えませす。モゾリアナ国王に雇われてキリアマリ国の船を何艘か水を持ちあげて沈めてモゾリアナ国を勝利させました。」

会場がどよめきました。モゾリアナ国とキリアマリ国の戦争は伝わっていてモゾリアナ国が勝利した事はスタ割っていたようですがクレアの事は伝わってなかった様です。

がやがやと場内がざわついたのでまたクレアが「魔気」が入った言葉で「次の質問に答えますので私語を慎みなさい」と言うとシーンとしました。

「イドエル公爵との関係についてですが、其れは私が魔女になる前に初めて士官学校の卒業のパーティで出た時にたまたま来ていて最初のダンスを誘ってくれたのが初めての出会いでした。
其の後に社交界デビューのエスコート役を探している事を聞きつけてイドエル公爵にエスコート役を引き受けて下さった関係で其の後に何かにつけて相談に乗って貰っています。」
更にクレアは続けました。
「何故弁護士事務所に言ったのですかについてですが、此の国は法治国家です。物事を解決するのに「魔女の力を使って私が思っている正義とか希望を押し通せば其れは唯の強力な力を持った暴漢と変わりがありません。クレアが此の国に居住する以上法律を順守する為に弁護士等に相談します。」

其れから「クレアは立ちあがると此れで会見を終わらせて頂きます」とさっさと会見場から出て行きました。

クレアは昼食を済ませてショッピングに行くと言ってホテルを出ようとするとマキバルがイドエルに表敬訪問をしなけらば行けないと言いました。

何と村長からのイドエルへの御礼状も預かってきていると言うのです。
クレアはイドエルに会いに行くのなら此のドレスでは嫌だと言いました。
イドエルにはもっと迫力があるドレスで無いと気魄で負けるから着替えないと行かないと駄々をこねました。

其の様子を少し離れた所から記者達が見ていました。
結局龍を呼び出してカバンに白猫に戻ったハタルを入れて透明になって軽くなったマキバルがクレアにくっついて館に行ってドレスを着替えて来てイドエルの館に行きました。

既にイドエルの事務所の前は記者達がいっぱい待ってました。
記者も数名入る事を許された中でクレアはマキバルが書いたメモを見ながらイドエルに「この度はご助力を賜りまして感謝しています。」と読み上げました。
イドエルは笑い堪えて聞いてました。
マキバルが村長からの礼状渡した後はクレアが回答案の紙を振りながら「此れもありがとね」と言いました。






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