脳活日誌2252号
- カテゴリ:日記
- 2022/06/09 12:52:27
百年の禍根を残す③
「今回賞賜の光栄に浴したものは(中略)勤倹精励衆人の模範となり苟も濫費奢侈に流ることなく賞賜金は努めて之を永遠に貯蓄利殖し内は以て各自生業の基礎を鞏固にするを図り外は以て国家の進軍に貢献せんことを期すべし。右訓示す」となっている。
日露戦争といっても、日本が中国へ軍事侵攻したわけだ。敗けておれば日本の近代国家形成は大幅に遅れていただろう。二十世紀初頭の国際情勢は、各国が富国強兵、国民意識の統一を推進し、武力で他国の領土を侵犯し、資源や市場、安い労働力を確保していく時代であった。
世界史的に見ると戦国資本主義の時代であった。国力を増進するために他国を侵略するというのが常套手段であった。これが日露戦争となり、第一次、第二次世界大戦を引き起こした。この歴史的反省に立って第二次世界大戦後は貿易資本の自由化を推進するようになる。
狭い国別の経済が抱える障壁を撤廃し、各国の同意を得て世界市場の形成を目指すようになった。戦争という武力による再編ではなく、平和裏に経済圏を拡大して国民生活の向上を図っていくのが今日の課題である。
二十一世紀は武力による経済圏や国土の拡張はご法度なわけである。過去の世界大戦の多大な犠牲を反省して自由で平和な経済活動を推進していくのが、将来の経済生活の大きな目標でなければばらない。ウクライナ戦争は歴史に逆行したロシアの侵略となっている。指導者の思想と政策が各国の命運を左右することになる。
日露戦争に従軍した祖父であったが、日米開戦によって長男は中国の武昌で戦病死、次男は軍務中に結核を患って除隊し、戦後まもなく自宅で亡くなった。私が中学一年になって祖父は行年七十四歳で他界した。晩年は寂しそうであった。
終わり。
みんなを巻き込みながら
恐ろしいことです。