Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活日誌2251号

   百年の禍根を残す②

 このようになってくるとロシアとウクライナの二国間の戦争ではなく、経済制裁によって巻き起こされる世界市場は大きな混乱の渦となって弊害が拡大してきた。物価の高騰が目白押しになった。そこへ便乗値上げが加算されていく。どこの国の国民も戦争の被害を受けて生活が難しくなってきている。ウクライナ戦争は第二次世界大戦が終息して以降、核兵器を脅しに使った特異な世界戦争となっているわけだが、もしも、ウクライナ軍が押し返して、ロシア軍から占領された領土を取り戻せば、世界の歴史は大きく塗り替わるかもしれない。
 だが、戦争で死亡すれば、遺家族ができる。
 私の父は先の大戦で中国の武昌で戦病死している。父の実父つまり私の祖父は日露戦争に従軍していた。日露戦争の最中に軍備増強で大阪・奈良・京都・姫路等の各連隊が集って第五十三連隊が結成された。日露戦争の激戦地となった旅順攻略203高地で功績があった。祖父からは日露戦争を体験し、現地において如何なることがあったのか、私は何も聞かされていない。
 戦争は惨いことだから、戦争に従軍した人は自分の体験を話したがらない。軍務の内容について不用意に言ってはならないという箝口令もあったのだろう。ただ、祖父の遺品を整理していると次のような書類が出てきた。
 明治三十九年四月1日付「日本帝国明治三十七八年従軍記章の證」というものである。祖父は陸軍歩兵一等卒で「明治三十七八年戦役ノ功ニ依リ勲八等瑞宝章及金八拾圓ヲ授ケ賜フ」とある。この賞賜について明治三十九年八月二十三日付で当時の陸軍大臣寺内正毅が訓示した文章も残っている。(続きは明日)

アバター
2022/06/08 13:42
時代の波に巻き込まれながら
一般の人々もまた それぞれの人生に
思いもかけない苦難と記憶が刻まれる。
先頭に従って行かねばならない人々の
思いはいかほどのものだろう。
想像することさえできません。



月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.