ピンポンピンポン・・・地震？空襲警報？わたしはウクライナの鉄鋼所にいるんだろうか？這うようにしてモニターの前に行くと我が家のボスキャラ（ママはラスボス）お姉ちゃんの顔がニタ～と出現。そうだ。お姉ちゃんにSOSしてたんだ。「寝てた？」「寝てた」（お姉ちゃん、今が平安時代なら検非違使に切られてるか、鬼に羅生門にさらわれて食べられてるよ。と心の声）

ガタッと玄関で音がしてピンポンピンポン・・・玄関を開けると「あおい、下のロックを解除したらわたしが上がってくるんだから、玄関のカギくらい開けときなさい」（まぁ～！それが人様のお宅にお邪魔した人の第一声ですか！）「暗証番号何回も教えたでしょ！」だんだんこちらも声が大きくなっていきます。「わたしは忙しいんだからそんなのいちいち覚えてないわよ」どこまでも上から強気の発言のお姉ちゃん。

ずかずかと我が家のように大荷物を持って奥に行って、「あおい、どうせ晩ご飯食べてないんでしょ」「ヤクルト1000飲んだからもう寝る」「エネルギー入れないと早く良くなんないよ。わたしもこれからだから、すぐに作るね」（もしもぉ～し、人の話聞いてますか？もう晩ご飯と言うより、夜食の時間も通過して朝ご飯の方が表現的には近いですよ～）

ベッドでウトウトしていると「できたよ。食べましょ」と楽園から強引に引き戻されて、テーブルには麻婆豆腐とみそラーメン。わたしが絹ごし好きなの知ってるのに木綿で作って、明け方に高カロリー食。ご飯の上の麻婆豆腐に鷹の爪が刺さってる。ふと視線を上げると、机の上には芍薬の花が3本。「お姉ちゃん。机の上に花を活けるって、クラスメイトが死んだシーンみたいじゃない？」（勝手に死人扱いしないでよ）「あおいの部屋は散らかってて、空いてるスペース机しかないでしょ」（おっしゃる通りです）「あれね。貰ったんだけど、芍薬って花びらが少しづつ落ちていくでしょう。うちで活けてたら掃除が面倒だからお見舞いに持ってきた。」（わたしが掃除するのは面倒じゃないんでしょうか？）

死ぬほど食べさせられて、お姉ちゃんはバッグから錠剤と光り輝くユンケルを取り出して、「これは市販のビタミン剤より強力なやつを薬局で出してもらったからユンケルで飲みなさい。だいたい、人の身体には自然治癒力があるから、それを後押しするビタミン剤と栄養があれば何とかなるのよ」（この人、ドクターエッグスのくせに西洋医学を全否定した。ヒポクラテスに謝んなさい。いや、いっそ尼寺に行ってください！）

「あおいちゃん。パジャマ脱いでここに座って」（お姉ちゃんがわたしにちゃんをつけるときは何かある。頭の中でパトランプが回転し始めました）わたしの胸に聴診器を当てながら「もうTシャツも脱いで裸になんなさい。あおいはおっぱいに脂肪ため込んでよく聞こえない」「わたしは練習用の模型じゃないんだよ。いいの？」「いいのいいの。免許あるし」「免許あってもまだ、経験積んでない若葉でしょ」「だからあんたで積んでんじゃない」（ごもっともです。わたしが日本の医療の人柱になります。華岡青洲の妻になります）

「後ろ向いて」バンバン！「ここ痛くない？」「大丈夫」（それだけ叩かれれば健康な人でも痛いです）「横になって」むにゅ～！胃を身体がくの字になるくらい押さえられて「ぐえっ～麻婆豆腐が出る～」横腹をパーン「内臓の癒着防止と手術の後に内臓が元の場所に戻るのを早くするのに時々叩いてあげるの」（わたしの内臓は癒着してませんし、手術もしてません）お尻と太ももの付けね辺りを押さえつけられて足がピクピク。

一通りお姉ちゃんの気が済んだところで、「寝よっか」わたしは、お姉ちゃんが来た時から眠いと主張してたのにあなたはどこまでマイペースなんですか？いつものようにわたしはベッドの片隅に押しやられてやっと就寝。

朝と言うかお昼近くに目を覚ますとお姉ちゃんはもう帰っていて「内臓が弱っているから規則正しい食生活を心がけること。お大事に。帰るね。起きたら玄関のカギは掛けておくこと。〇〇〇」と書置きがありました。

内臓が弱っている人に深夜、大食いさせたのは誰？しかも、プリントアウトした資料の裏紙がこれだけ氾濫してる部屋で、あえてわたしの手帳を破いてメモを書いていくとは・・・。

以上、少し盛ってますが、お姉ちゃんの襲来による4時間戦争の概略でした。