10冊目、読了
- カテゴリ:日記
- 2022/04/29 13:49:28
「下流の宴」 林 真理子 著
タイトルが何となく聞いたことがあると思っていたら、読んではいなかったが、我が家で購読している新聞に掲載された小説だったからのようだ。
東京で自分はやや上流世界に住んでいると思っている福原家と沖縄の離島で飲み屋を経営している下流社会に生きると思われている宮城家の話だった。私がここでいう下流に近い生活だからか母親の言う身分の差別に妙に腹が立つ。親の職業が何なんだ、学歴が何なんだ、自分は大した努力もしないで親の七光りではないか。話の物差しとなっている母親の考えは、異常と思える。結果を先に言ってしまうと「ざまあみろ!」と声を大にして言いたい。
同棲中の彼女の努力は応援したが頑張ることの嫌いな息子、しかし、最後はがんばっている人を見るのが嫌いだと別れを告げる。自分が得をするなら努力をする娘、夫が体調を崩しても、現状の生活が維持できるかどうかの方が優先して、優しさのかけらもない。今の社会をひにくっているようで面白い。人それぞれに価値観は違うので一概には言えないけど、その人なりの頑張りは認めたい。また、頑張りの嫌いな人はそれなりに満足しているのだからいいではないか。頑張っている人を見るのが嫌いなら見なければいい。話が古くなるが、戦後の日本人の「追いつけ、追い越せ」の上を目指し努力をする、そんな意気込みを持った人が少なくなっているような気がする。私を含め平和ボケしているのかな。
だから時々、天は我々に「自然災害」という試練を与えるんだと思いますよ。
でも、あまりにも限られた人々・地域への鞭なので、
それが辛いですね。