ハイレゾに近づけない理由
- カテゴリ:音楽
- 2022/04/13 07:42:47
レコードとCD、両方持ってるアルバムがけっこうある。
レコードは廉価な再発盤と国内初盤や原盤の2枚を持ってる場合もある。
比べるとレコード、特に原盤が好みに合うけど、それは世代のせい。
CDは未発表曲や別テイクの収録で売ろうとする時代にウンザリし、
リマスターリミックスブームが来た頃に興味がなくなった。
慣れ親しんだ音響が再構築されると、それはもはや別物です。
ハイレゾ、名前は知ってます。凄いんですよね。主流だそうですよね。
業界の戦略とか、オカルトとか、そもそも聴こえないとか批判する向きもあるが、
私は実際に凄いものなんだろう、とは思ってます。
似た話に、某社が市販し業界を席巻したレコーダーがあります。
事実上、無限のダイナミクスレンジを持つというこのシリーズ、
開いた口が塞がらなかった。某誌が無茶なテストをした。
国内GTに参戦する純レーシングカーのマフラーから10cm(!)の位置に、
マイクを取り付けサーキットを走らせ排気音を記録したんです。
WAVデータはもちろん上が潰れて真っ黒の海苔状態。ところが……
縦軸変更する操作をするだけで、綺麗な波形が現れクリップが皆無。
エンジン停止後にマフラーが収縮するチリチリ音や、
歩み寄るスタッフの話し声と足音、虫の鳴き声まで全て入ってた。
異次元の技術です。レベル調整が不要というのはそのくらい凄い。
マイク立てて楽器鳴らせば常にベストの生音が収録できる。
レコーディングエンジニアの多くを戦慄させたはず。
ハイレゾも同様に、異次元の音楽体験だろうと思うんです。
今は古いアナログマスターをハイレゾ化した音源を売ってるけど、
むしろ上記のレコーダーと組み合わせ、新しい作品で使うべきだと思う。
だから凄いだろうとは分かってるんですよ。でもね……
システムを新たに構築しなければなりませんですよ。
パソコン、オーディオボード、ソフト、DAC、ケーブル、デジタルアンプ……
ハイレゾ対応のCDプレーヤーもスピーカーも持ってない。音源もゼロ。
しかも音源のお値段を見たら、昔のレコード並みではありませんか。
コワイ。体験してハマったら「一通り」揃える羽目になる。
だから近づかない。敬して遠ざけるのは賢明な人生観であります。
多文化共生……レコードとCDにハイレゾまで同居させるの? やだやだ。
異文化を否定しないのは生活の知恵だが、共感し理解しろというのは無茶です。
そういう理想論が世界で紛争を生み出す主因だと思うんですよ。
人には限界があり、相互理解や共感は不可能であり、仮初の世は無常です。
袖摺りあうも他生の縁、それ以上近づき主張を強制する必要はない。
だからハイレゾには近づかない。次世代の凄い技術だと認識し、敬遠する。
そっちには近づかないから、ハイレゾ信者もコッチ来ないでね。
来ないで。来るなって言ってんだろ。やる気か!? そしてまた紛争が。