Nicotto Town



ワーグナーの聴き比べに勤しむ。



精進落としで食べ過ぎたのでDisk Unionへ行くのが億劫になった。
帰途の乗換駅近くにレコード専門店があると知り、寄ってみた。
隅のエサ箱(懐かしい表現)からクラシックを4枚発掘、1枚100円。

2枚はカラヤン/ベルリンフィル/ワーグナーという定番だったので嬉しい。
ブーレーズ/NYフィルのワーグナーを持ってるので比べた。
クラシックで意識的に聴き比べをやったことはなかったのです。

違うものですねぇ。双方70年代の録音で音質は非常によろしい。
自分の知る『クラシック』は間違いなくカラヤンのほうだなぁ。
濁りも迷いもない、俺達王道一直線という自信とプライドの溢れる音。

ブーレーズはずいぶん違う。各セクションそれぞれの色彩というのか、
それを生かした極彩色といいますか、カラフルで繊細さがある。
ワーグナーって仰々しい荘厳さだけじゃねえんだぜ、という印象を受ける。

オケも違うから一概には言えないし、正しいとも思ってないんですが、
この違いは面白い。邪道音楽で喩えてみましょうかね。
カラヤンはブルースロック的、ブーレーズはプログレ的。

ブルースバンドってバンド一丸となり突っ込んでく気合が重要です。
フリーの『Going Down Slow』、マックの『Oh Well』聴けば伝わるはず。
こうした潔さと迷いのなさを感じるのがカラヤン=ベルリン組。

プログレは種々あるが、ハットフィールズアンドノースを挙げよう。
音像の奥、弱音ほど速く細かいパッセージで織り上げたタペストリー。
そんな緻密な計算を感じたのがブーレーズ=ニューヨークフィル。

90%以上はビッグネームから受けた思い込みに過ぎません。
でも先入観そのままで交互に聴き直すのが無性に楽しい。
カラヤンがフルヴェン的なものを継承し、ブーレーズはそれを超克してるのかな。

こりゃ愉快。素人に判りやすいワーグナーで別の指揮者を探してみよう。
ショルティ=ウイーンフィル、ベームと同じくウイーンフィル、
ワルター=コロンビアあたりは手に入れたい。楽しみがまた増えた。

ちなみに残り2枚はいずれも戦前録音のモノラル盤、
ルビンシュタインのショパンポロネーズ集と、
フルヴェン/ウイーンフィルのブルックナー。正座して聴いてます。




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